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平成 8年第3回定例会−09月11日-02号

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  1. 台東区議会 1996-09-11
    平成 8年第3回定例会−09月11日-02号


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    平成 8年第3回定例会−09月11日-02号平成 8年第3回定例会 平成八年 第三回定例会 東京都台東区議会会議録(第九号) ● 九 月 十一 日(水)                   (以下敬称略) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席議員 (三十七名)      一  番  鈴 木   茂    二  番  大和田   功      三  番  鈴 木 昭 司    四  番  関 根 博 之      五  番  堂 村 勇 一    六  番  中 村 明 彦      七  番  青 柳 雅 之    八  番  清 水 恒一郎      九  番  服 部 征 夫    十 一番  高 柳 良 夫      十 二番  実 川 利 隆    十 三番  寺 井 康 芳      十 四番  木 下 悦 希    十 五番  小 菅 康 雄      十 六番  伊 藤 萬太郎    十 七番  熊 木 壽 夫      十 八番  杉 山 全 良    十 九番  伊 藤 友 子      二 十番  稲 垣 晃 司    二十一番  金 田   功      二十二番  田 口 治 喜    二十三番  伊 藤 征 輝      二十四番  田 中 伸 宏    二十五番  堀 江 達 也      二十六番  池 田 富 保    二十七番  麻 生   昭
         二十八番  足 立 守 夫    二十九番  茂 木 孝 孔      三 十番  杉 山 光 男    三十一番  飯 田 つね子      三十二番  藤 平 一 雄    三十三番  吉 住   弘      三十四番  木 村   肇    三十五番  大 場 功 一      三十六番  水 島 武 久    三十七番  河 野 浅 吉      三十八番  小 玉 高 毅 欠席議員  な し 欠  員  一 名 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 出席説明員      区 長      飯 村 恵 一   助 役     上 條   源      助 役      近 藤 達 仁   収入役     平 賀 庸 之      教育長      眞 田 重 行   企画部長    隈 部   孟      総務部長     奈 良 文 夫   区民部長    苅 部 雄 孝      産業部長     村 尾   操   高齢者福祉部長 渡 辺 孝 行      環境保健部長   森 松 義 雄   土木部長    生 田 育 良      建築部長     野 本 孝 三   都市整備部長  浅 津   勲      教育委員会事務局次長         財政担当部長予算課長事務取扱)               荒 井 藤二郎           小 林 謙 光      総務課長     野田沢 忠 治 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 区議会事務局      事務局長     岩 丸 昌 司   事務局次長   渡 邉   保      議事係長     今 井 良 雄   書 記     浅 井 淳 一      書 記      廣 澤 知 巳   書 記     石 井   彰      速 記      田 中   浩 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 議事日程 日程第 一   一般質問 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   午後二時三分開議 ○議長(大場功一 さん) ただいまから本日の会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。  会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員につきましては、会議規則第百二十八条の規定により、      一 番  鈴 木   茂 さん      二 番  大和田   功 さん をご指名いたします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(大場功一 さん) 初めに、閉会中の議員の辞職について申し上げます。  去る七月三十日、佐藤 仁さんより議員を辞職したい旨届け出がありました。  本件は、地方自治法第百二十六条ただし書きの規定により、議長において翌三十一日付をもって辞職を許可いたしましたので、会議規則第九十八条第二項の規定によりご報告申し上げます。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― △日程第一 一般質問 ○議長(大場功一 さん) 日程第一、一般質問をこれより行います。  一般質問の発言通告がありますから、順次これを許可いたします。  十二番実川利隆さん。   (十二番実川利隆さん登壇) ◆十二番(実川利隆 さん) 平成八年第三回定例会において、自民党区議団のご推挙をいただきまして、党を代表して質問をさせていただきます。  質問は、七項目ございますので、区長並びに教育長の明快なるご答弁をお願いを申し上げます。  まず最初は、区議会議員の任期途中での辞職についてであります。  昨年四月の統一地方選挙後の議会は、戦後十三期目の始まりの年であり、議員団の中には歴戦の勇士あり、また新人ありで、ともに任期いっぱいを区民生活の向上のために、区政のさらなる進展のために全力を傾けるべく新たな決意で臨み、区民の皆さんからも大いに期待されてスタートしたわけであります。  ところが、私にとりましてもまさに寝耳に水で思いもかけぬ事態が発生をいたしました。日本共産党所属の佐藤 仁議員が長期にわたるスパイ容疑で党から突然除名になり、あわせて議員辞職願を提出されたのであります。  私は、私たち議員の仲間が、自分の毎日の生活の中からこのような事態が発生するとは、夢にだに想像したことはありませんでした。議会人として私は佐藤氏と立場を異にしてはおりましたが、このことはまことに残念な結果と言わざるを得ないのであります。  私がここで申し述べたいことは、議員は中央、地方を問わず、国民、そして区民の審判を受け当選し議員になった以上、病気などの身体的な理由や刑事事件にかかわる事件などによるやむを得ない理由のほかは、任期いっぱい区民の負託に精いっぱいこたえるのが当然であると考えます。にもかかわらず佐藤 仁氏は、任期途中で辞職いたしました。このことは、議員の責任をみずから放棄し、選挙民を愚弄したことになるのではないでしょうか。区長は、佐藤氏の任期途中での辞任についていかがお考えでございましょうか、ぜひともご所見を承りたいと思います。  また、七月三十日の新しい台東の号外にも、日本共産党の議員としての資格に欠けた佐藤氏を知らなかったとはいえ、党の公認候補として区民の皆さんを欺く結果となったことを党として心からおわびを申し上げるという記事が掲載されております。  しかし、私はいかなる政党に所属していても政策面については党派によって異なり、所属政党の意思、方針に従うことが当然であっても、議員自身の身分に関しては何ら拘束されるべきでないと考えます。ところが佐藤氏は、本人自身の身分の問題について所属政党の決定にのみ従って辞職をされました。区長は、これに関してはどのような見解をお持ちでしょうか。ぜひともお聞かせをいただきたいのであります。  私の二点目の質問は、O157についてであります。  O157による食中毒患者は二カ月で一万人近くに達し、国を挙げて感染ルート解明に取り組んでいるにもかかわらず、手がかりさえつかめない状態であります。治療法の未整備や検査・情報伝達の不備も明らかになった昨今であります。また、新聞社の世論調査によりますと、自分や家族が食中毒にかかるのではないかという不安を感じ、感染防止策を心がけた家庭は約九割に達し、食中毒の不安を感じた人は六二パーセント、中でも主婦層は七四パーセントという高い数字を示しております。  三定初日の区長の発言にも述べられておりますように、O157対策で洗浄や消毒など、安全対策と予防対策に積極的に取り組まれている姿勢は大いにこれを私は高く評価し、理解を示すものであります。そこでまず、食品保存についてお伺いをいたします。  マイナス二十度以上の零下の冷凍庫保存が必要となり、製造業界は生産が間に合わないと聞きますが、区内の保育園、学校、福祉施設等の公共施設については、どこまで対応ができているのでしょうか、まずお尋ねをいたします。  また、O157の影響を受けて、うわさの広がる「カイワレ」大根などの青果業、牛肉、内蔵を扱う食肉業を初めとする食品関係業や飲食店にも大きな経営的な打撃を与えております。区内の関係、中小商店、中小企業も多く、直面している経営者の皆さんはO157の話題が沈静化するまで打つ手がないのが実態であります。他区においては、九区が緊急融資の対策を実施いたしておりますが、我が区においては、これらO157の影響を受けている経営者の皆さんに対し、緊急性の特別支援対策をどのように計画しているのか、お伺いをいたします。  三点目は、上野恩賜公園百二十周年であります。  幾つもの文化施設が集まる緑豊かな杜を中心とした私たちの「心の故郷」とも歌われている上野は、また長い歴史の中で庶民の町として渾沌としたにぎわいに彩られてまいりました。  明治政府成立後、文明開化のスローガンのもとに封建的な生活様式の破壊、西洋文化の摂取が急速に行われてまいりました。上野の杜を中心とした文化は、明治新政府のもとで官民一体の努力によってその基礎が築かれ育まれてきたわけであります。そして今日においても、彰義隊の墓碑、あるいは西郷さんの銅像が私たちに明治維新という歴史を語りかけ、旧東京音楽学校奏楽堂東京国立博物館の表慶館等の重要文化財は、明治以降上野が文化の中心地であることをしっかりと物語っております。  戊辰戦争の主要舞台として歴史に登場し、近代日本の夜明けの地となったこの上野。彰義隊の戦いからわずか八年しか経過していない明治九年五月九日、小雨降る上野公園において当時二十五歳の明治天皇、皇后両陛下のご臨席を仰ぎ厳粛なうちに盛大にこの上野公園の開園式がとり行われ、以後我が国における最初の公園として、上野公園はその地位をゆるぎないものとして今日に至りました。百二十年の歴史というものを、しっかりと近代日本の歩みを見続けてきた、いわば歴史の証人であると言えます。  その上野の杜が今大きく変貌しようといたしております。一群の文化施設の周りには、巨大なタワークレーンが幾つもそびえ立ち、工事用のダンプカーやミキサー車がうねりを上げて、慌ただしい動きを見せております。明治という古きよき時代から平成の今日まで、ゆっくりと時を刻んできた上野の杜が、時代に今後押しされるようにむっくりと起き上がろうとしております。現在も、官民一体となってこの百二十周年を祝うさまざまなイベントが盛大に開催をされております。  四季折々の風情を求めて全国民が、いや全世界の多くの人々が集う上野公園、開園百二十周年という歴史的意義を地元の区長としてどのように認識をし、理解をされていらっしゃるのか、ぜひともお聞かせをいただきたいと思い、これは今後の私の文化行政を考える指針とさせていただきたいのであります。  四点目は、引き続きまして文化行政の役割と方向性でありますが、先ほど恩賜公園のところでも触れてまいりましたが、飯村区長は、区長就任以来今日まで文化の殿堂台東区を広く内外にアピールし、上野の山を名実ともに日本の芸術文化の発信基地にしていきたいと強く願い、文化行政によせる並々ならぬ熱意に敬意を表しつつ、お尋ねをいたします。  昨今は「文化の時代」とよく言われております。この言葉が国の施策として登場してきたのは、昭和五十四年の大平内閣の施政方針演説であるとされております。以来、今日まで全国の各自治体が「文化行政」あるいは「行政の文化化」に取り組んだのは、そのような各界各層の市民の声を背景とした地域振興策でもありました。  豊かな個性ある文化を広く発信するとともに、相互の理解を通じて新たな文化創造を目指す社会、すなわち「文化発信社会」を構築していくことが二十一世紀に向けての基本的方針とされております。  ことしもまた、間もなく上野の山文化フェスティバルゾーンが開催をされます。上野の山を気軽に訪れ、文化の香りに触れ、芸術の秋を堪能しようとする多くの国民がその開催を一日千秋の思いで待ちわびております。区長は、重要文化財が集積する我が台東区における文化行政の役割、これは言いかえれば、台東区が果たさなければならない文化的使命というものをどのように認識をされておられるのか、また、二十一世紀に向けての基本的な方向性をどのようにお考えになっておられるのか、大変よい機会でございますので、ぜひお聞かせをいただきたいのであります。  次に、住民投票についてお尋ねをいたします。  去る八月四日、新潟県巻町で行われた東北電力巻原発建設の賛否を問う住民投票は全国的に話題になり、投票結果が注目されたことは私たちの記憶に新しいところであります。  投票の結果、原発反対が六割を超え、かつての「もんじゅ」の事故などで原発の安全性などへの不信感が高まる中での投票で、町民は町の発展よりも「安全性」を選択したのであります。笹口孝明町長も、投票率はすごい数字だと思う。これで町の方向は原発と共生しない形で進むことが決定した。主権者である町民の判断は絶対であり、国といえどもこれを無視することはできないと、記者会見で述べております。  ところで、この住民投票は、昭和五十九年に四国高知県窪川町が行ったのを皮切りに、米軍基地の整理縮小と日米地位協定の見直しを問う、都道府県レベルでは初めての沖縄県民投票がつい先日行われ、結果は皆様ご案内のとおりであります。これらの住民投票は、民意を政策に十分反映させるために新たな対応策が必要との認識に基づくものですが、現行の地方自治制度では選挙で選ばれた首長と地方議員が政策の決定と執行を行う代議員制をとっております。このため、民意を直接問う住民投票政策決定過程に組み込むことは困難であると私は考えます。自治省も、「条例で首長に投票結果に従うことを義務づけるのは地方自治法の趣旨に反する」との見解を既に出しており、実際、全国八カ所九件の条例のいずれもこのことを踏まえ、住民投票の有効性については「首長は投票結果を尊重する」とだけ規定しています。  ただ、投票結果は法的な拘束力はないとはいえ、巻町の町長発言に見られるようにその後の行政に大きな影響を与えているのも紛れもない事実であります。また、代議員制度との関係などの問題点が改めて浮き彫りになり、地方自治法を改正して住民投票法的拘束力を持たせるかなどの制度化について賛否両論があります。この点について飯村区長はどのような見解を持っておられるのか、ぜひお聞かせをいただきたいのであります。  六点目は、教育関係でありますので、児童・生徒の学習環境についてお尋ねをいたします。  私は、このたび区民文教委員長という大任をいただき、まず自分の目で肌で児童・生徒が望ましい環境で学習しているかどうか確認したいと思い、小・中学校あわせて十八校を訪問させていただきました。そしてまず感じたことは、設備の整った学校とそうでない学校の差の余りの大きさに驚いたのであります。  私は、学校教育の施設は単に冷暖房等の設備が完備されていることが絶対条件であるとは考えていません。条件が許すならば、例えば窓から四季折々の移り変わりがわかるように、そういう自然の状態が一番望ましいのではないかと考える一人であります。  しかしながら、例を挙げれば全館冷暖房完備の学校がある一方、三階、あるいは四階の教室が三十数度にもなる学校も現実にありました。冷房完備の学校の子供は、生き生きと飛び回っていたのに対し、そうでない学校の子供たちは暑さのためにぐたっとしていたのです。私は、この姿を目前に見たときに改めて学習環境の重要性を痛感し、急ぎこの解決に全力を傾けねばとかたく心に誓いました。確かに、教育委員会のご努力で音楽室や幹線道路に面した騒音の激しい教室には冷房装置がつけられています。しかし、私が訪れた学校の何校かは窓を開けても風が通り抜けない教室や、騒音が激しく窓を開けられない教室がありました。それらの教室では、私が二、三分立っているだけで汗びっしょりになりました。このような教室にはぜひ冷房装置を設置していただき、子供たちが元気よく学習できるようにしていただきたいと思います。  私は、何も区立学校すべてを全館冷暖房完備にしてほしいと申し上げているのではありません。設置基準に基づいて風通しの悪い教室や、騒音のため窓を閉めざるを得ない教室にぜひ冷房設備を設置すべきだと考えます。それは、同じ区民の子供たちに平等な学習環境を保証すべきであるという私の信念に基づくものであります。教育長の温かい答弁を期待をいたします。  最後に、区立中学校創立五十周年並びに全国記念大会についてお尋ねをいたします。  昭和六十二年九月二十九日、区立中学校四十周年の記念式典リバーサイドスポーツセンターで開催をされ、当時の内山台東区長さんを初め、多くのご来賓、区内の中学三年生全員が出席をし、二千二百人という参加を得て盛大に挙行されたのであります。その席上、永年学校のためにそれぞれのお立場で尽力された百十九名の方々に感謝状が贈られ、その功績がたたえられたのであります。  来年は、いよいよ台東区政五十周年とともに中学校創立五十周年という輝かしい年を迎えるわけでありますが、今全庁を挙げて行財政改革に取り組んでいることは私も十分承知いたしておりますが、ここで大切なことは、今日までの台東区の教育の五十年というものが、歴史の中でしゃぼん玉の泡のように消え去ってしまうのではなくて、さらに積み上げていく五十年にしなくてはならないと私は考えます。したがって、来年の五十周年を契機として、さらなる教育の充実に役立てるよう願っております。つきましては、この記念行事を教育関係者はもとより幅広い皆様のご参加を得て開催すべきものと考えます。既に計画は進んでおられることと思いますが、至急に日程、内容等を決定すべきと思いますが、この点いかがお考えでしょうか。  また、全日本中学校五十周年記念大会の日程も既に平成九年十月二十九日から三日間と決定したとのことでありますが、全国的な記念大会とはいえ、教育の重要性が今強く叫ばれ再認識されている今日であります。この記念大会の参加に向けて現在どのように対処されているのか、ぜひともお尋ねをいたします。  ご清聴いただきありがとうございました。(拍手) ○議長(大場功一 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 実川議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、区議会議員の任期途中での辞職についてでございます。  区民の信託を受けた議員の任期途中での辞職につきましては、大変残念でございますが、議員自身の判断に基づくものでありますので、私はお答えする立場にないと考えますので、ご理解を賜りたいと存じます。  質問の第二は、O157対策についてでございます。  最初に食品の保存につきましてお答えを申し上げます。  区では、病原性大腸菌O157などによる食中毒が全国各地で大量発生したため、予防対策に万全を期すとして七月に給食業務に関する庁内各課の連絡会を設置し、情報交換や検食の保存方法等について協議を重ねてまいりました。  その結果、区内の全小・中学校におきましては、既に二学期の給食開始の前までに冷凍庫の配備を完了したところであり、保育園や特別養護老人ホームなどの福祉施設におきましても、九月末までには設置できるよう手配済みでございます。今後とも、食中毒の予防対策については万全を期してまいります。  次に、O157に対する区内中小企業への対策についてでございますが、区といたしましては、東京商工会議所台東支部、台東区商店街連合会との共催により、緊急のO157対策経営研修会を九月十二日と十三日に開催する予定でございます。  また、現行の中小企業経営相談融資制度等を積極的に活用して、区内中小企業の経営の安定に努めてまいりますので、よろしくお願いをいたします。  ご質問の第三は、上野恩賜公園百二十周年についてでございます。  上野恩賜公園は、議員ご指摘のように日本で最初の公園として、日本及び東京都にとって、そしてまた地元台東区にとっても開園以来人々の文化と憩いの場という大きな役割を、果たしてまいりました。この歴史ある文化の香り高い貴重な場所を地元台東区の区長として大事にしてまいりたいと考えております。
     ご質問の第四は、文化行政の役割と方向性についてでございます。  文化は、心を豊かにし潤いのある生活をもたらすものであり、これからの区政にとっても大きな柱の一つであると考えております。  本区には、伝統ある文化と上野の山における近代日本の文化の歴史が存在しております。私は、このような文化の資源を大切にしながら、区民の文化活動への参加を奨励していくことが重要であると思っております。  また、二十一世紀にはますます文化の果たす役割が高くなると考えております。私は、現在改定作業中の長期総合計画の中で、文化行政の持つ役割を十分検討してまいりたいと思います。  ご質問の第五は、住民投票についてでございます。  議会制民主主義制度を採用している我が国にあっては、民意は議会を中心としてさらに各種審議会等を通じ、政策に反映していると考えております。ご質問の住民投票については、疑問の意見もありますので、その賛否の議論の行方を注意深く見守ってまいりたいと存じます。  ご質問の第六の「児童・生徒の学習環境について」は、教育長がお答えを申し上げます。 ○議長(大場功一 さん) 次に、教育長の答弁を求めます。   (番外教育長眞田重行さん登壇) ◎教育長(眞田重行 さん) 実川議員のご質問にお答えを申し上げます。  まず、児童・生徒の学習環境についてであります。  普通教室の冷房設備は、二十一世紀の学校のあるべき姿として建築したインテリジェント・スクール三校に設置いたしました。また、その他の学校につきましては、道路、鉄道の騒音やほこりが著しい場合に部分的に設置してまいりました。  議員ご指摘のような学校につきましては、今後、財政の許す限りよりよい学習環境となるよう鋭意努力させていただきたいというふうに思います。  次に、区立中学校創立五十周年並びに全国記念大会についてのご質問でございますが、平成九年度は実川議員ご指摘のとおり、新制中学校制度の発足五十周年の記念すべき年を迎えるところでございます。  教育委員会といたしましては、五十周年記念式典を挙行し、本区中学校教育の進展に尽くされた学校関係者を初め、多くの地域の関係者などをお招きし、感謝をあらわすとともに、中学校教育のさらなる発展を誓いたいと考えております。既に開催に向けて、中学校校長会とも協議をしておりますので、早急に日程や内容についても詰めたいというふうに思っております。  次に、中学校教育五十周年記念、第四十八回全日本中学校長会東京大会でございますが、来年十月二十九日から三日間にわたり、東京国際フォーラム等を会場に開催が予定されております。本大会が中学校教育の一層の充実発展に寄与されるよう、教育委員会といたしましても、開催に伴う分担金の予算化など支援してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(大場功一 さん) 二十四番田中伸宏さん。   (二十四番田中伸宏さん登壇) ◆二十四番(田中伸宏 さん) 平成八年第三回定例会に当たり、台東民主クラブを代表いたしまして質問させていただきます。  二十一世紀を四年半後に控え、政界再編のうねりが活発に続いております。まだまだ、中央政界の政党も地方議会の会派も離合集散を繰り返し、政界再編になっていくものと予感いたします。このような現象が正しいかどうか、現在のところわかりませんが、いずれにいたしましても結果は十年、あるいは二十年たってみないとわからないと思います。そのとき、今日の行動があったからよくなってきたんだと評価されるよう、私たち民主クラブも努力してまいりたいと存じます。  政党とは本来、政策理念によって人が合い集い、その政策を研究し推し進めるもので、人脈によって形成されるものではないと思います。今般の鳩山新党への動きも、政策による個人参加を最優先させ、それにこだわっている行動は人脈によらない政党をつくるのだという決意をあらわした行動だと思います。本日、新党の政策が発表されます。しかし、人脈の興味の方が先行して、マスコミもまた人脈を優先させた報道をしていくのではないかと心配です。  中央政界の各政党が一致して行政改革の必要性を掲げていながら、結果として行革が進まないのはなぜなんでしょう。住専問題のように表舞台では賛否がはっきりしているものは、なぜその法案は通過するのでしょう。表舞台で活発な問題は、どうも裏舞台でも活発に展開され、国民の見えないところで決められているような気がいたします。  私たち民主クラブのメンバーは、それぞれ政党は違っておりますが、多数の政党が政策を転換している現在、政党にこだわりなく、中央政界に惑わされることなく、台東区政中心に議論し、推し進めようとするものです。  このような状況の中、地方自治のあり方はどうあるべきか。また、最近の台東区議会の行動をどのように感じておられるか、まず初めに区長にお聞かせいただきたく存じます。  そんな社会環境の中、地方議会は中央政界に振り回されることなく、しっかりとした政策を考察していかなければならないと強く感じます。  次に、都区制度改革、地方分権のあり方など、これからの独自の地方行政に期待がかかっている現在、私ども台東民主クラブが思い切った発想に立った一つの提言を申し上げたいと思います。  それは、仮称『幸せの黄色い自転車』のことであります。このことは、昨年の決算委員会の総括で質問させていただきました。今までの行政は、法律、条例、規則を遵守することを最優先させてきたため、この『幸せの黄色い自転車』の奇抜で難しく、どこの自治体でもやっていない独自の新しい、今までの放置自転車対策を一変するような逆発想の施策の提案に耳を傾けることはないだろうと率直に思っておりました。しかし、この難しい提案に正面から研究いたしてくださる姿に私は心強く感銘をいたしております。  当時の塚本土木部長は、私どもの提案に対し率直に困ったなと感じられたと思います。しかし、本年度の予算の中に自転車の調査費が計上されておりました。よくぞ聞き入れてくれました。このことについては、区長を初め関係理事者に本当に心から感謝しております。  そこで、現在どのような調査がなされているのかお聞かせいただきたいと存じます。くどいようで大変恐縮ですが、私ども民主クラブの考え方をこの本会議の席で改めて申し上げさせていただきます。  台東区は、放置自転車対策として広報活動、駐輪場の設置、違法駐輪車の取り締まりなど積極的に行ってきました。それにかかった費用は、平成四年から今日まで自転車駐輪場運営費、放置自転車対策費、駐輪場施設費を含めると、実に二十一億円もの膨大な資金が使われております。しかし、問題解決にはほど遠いものとなっているのが実情です。今までの放置自転車対策の視点を変え、自転車の特徴を十分踏まえ、自転車の持つ健康性、排気ガスなど環境汚染の点から、むしろ積極的に自転車を活用するような思い切った施策を実行してみたらどうかと考えます。  本来なら、道路は都道府県の区別なく縦横無尽にあるため、国全体の交通体系の問題として、国が自転車のあり方について見直すことが必要と感じております。一地方自治体の行動が国を動かす原動力になればと思います。  そこで、廃棄処分された自転車をリサイクルして、仮称『幸せの黄色い自転車』と題し、自転車の持つ機能性、利便性などの長所を徹底的に追求し、活用を図ってみたらどうかと思います。今までは、多額な資金で駐輪場建設、あるいは放置自転車を取り締まるなど、利用者を束縛することに努力してきましたが、逆発想の展開で区の所有する自転車を、むしろモラルの重要さを徹底的に理解していただくことに努め、放置させることであると思います。つまり、区の所有する自転車は台東区内ならどこへ乗っていってもよいこととし、利用者のモラルを信頼し、利用者みずから迷惑のかからない場所に放置させることであります。すなわち自転車の持つ特徴と利便性を奪い取るのではなく、自転車の特異性を追求することによって、その自転車の乗車時間が増し、放置の時間が減少するものと思われるのです。  平成三年度、台東区の調査では十二万七千七百八十四台の自転車が区内にあるといわれております。自転車乗車可能者が一人一台所有していることになり、仮に、一日三十分乗車したとして一日当たり二十三時間三十分、その十二万七千七百八十四台の自転車はどこかに置かれていることになります。これは、つまり個人所有の自転車であるから二十三時間以上の放置が続くのであります。区所有の自転車ならば多くの方が活用され、利用されている時間が長く、放置されている時間は極めて短く、この案件の実施により緩やかに個人所有の放置自転車が減少することと思われます。  使用範囲を限定し、周知徹底しても遵守できるか。雨天、雨ざらしの状態をどうするか、空気圧の減少、故障などどうするかなど、問題点はたくさんありますが、中でも放置を是認する行為は役所はできないと考えているのではないかと心配いたしております。これは、放置を是認する行為ではなく、放置をなくすための行為のものなのです。  個人所有の自転車だけで、みんなで使える自転車がないから放置の状態が続くのです。区民がモラルの重要さを理解し、行政が寛容な心で的確に対応すればきっと区民はこたえてくれるものと信じます。両国駅では、駅長が雨の日に傘を無料で貸し出したところ、当初、大多数の貸した傘は返しに来てくれないと思っておりましたが、多数の方がその駅長の行為に感謝し、傘を返しに来てくれるそうです。行政がそのような庶民の心を大切にし、育てる施策を実行することも時として重要と考えます。ぜひとも台東区内に黄色い自転車を走らせてくださるようお願い申し上げます。  法律、条例、規則を守ることを最優先させて行政を行うことは、公務員として当然であると承知いたしておりますが、過剰に法律を遵守することのみ思いをいたすと、自然と人間を束縛する施策に知らず知らずにつながり、逆発想の施策は行政マンにとって極めてしにくく、公務員の間では愚考と言われやすい体質を持つことになると思います。  元来、法の精神というものは人を守るものであって、人を束縛するものでないと思います。それが、善を守るために悪を束縛しなければ人を守れないと錯覚する部分もあるのではないかと危惧いたす次第です。自転車対策における善とは何か、それは、すなわち健康性、利便性であり、他の乗り物と比べて比較的どこにでも置けるところにあります。悪とは何か、放置され続けられている状態を悪と言います。人間の信頼を最優先させた、角度を変えた視点での寛大な行政運営も時として試行してはいかがかと思います。改めて区長の決意をお聞かせいただきたいと存じます。  次に、新生浅草まちづくりについてお伺いいたします。  浅草は、浅草寺を中心として江戸時代より庶民文化発祥の地として発展してまいりました。しかしながら、近年は新宿、渋谷などの副都心、郊外のターミナル都市の発達は目覚ましいものが感じられますが、これとは逆に浅草は六区映画館、演芸街に見られるようにその衰退は象徴的なものとなっております。私は、浅草を愛する一人として、歴史と文化のまち浅草は他の盛り場にない無限の魅力を感じさせます。常磐新線の開業や地下駐車場の開設は、浅草にとって大きな夢と希望をもたらすものと期待しております。地元では、区の協力を得てロックブロードウェイなどの整備を行っておりますが、敷地の共同化などによる大規模な再開発の実現は依然としてございません。そこで、二十一世紀を目指した長期的な展望に立ち、また、他の盛り場にない特色を持った魅力ある浅草のまちづくり計画を展開していくことが、今こそ必要ではないでしょうか。そこで、まず第一として浅草のまちづくりの取り組みについて質問いたします。  浅草のまちづくりに関しまして、区はこれまで数々の調査を行ってきましたが、その中でも私が最も期待しているものは、平成六年度に策定した都市計画法に基づく都市計画マスタープラン、いわゆる台東区まちづくり方針であります。全国的にもいち早く策定したこの都市計画マスタープランは、浅草を上野とともに下町文化の拠点として位置づけています。また、区は住民とともにまちづくりを推進していくとしております。策定後はや二年が経過いたしましたが、私には依然としてまちづくりの動向が見られないように思います。このような計画を進めるのに一番重要なことは、徹底して地権者である住民と話し合い、理解を求めていくことが何より大切なことだと思います。  区は、浅草のまちづくりの推進につきましてどのような取り組みを行っているか、私を初め地区の住民もより積極的な取り組みを期待するところでありますので、その取り組みにつきまして区長の積極的な答弁をお願いいたします。  次に、長期的視点に立ったまちづくりについてご質問申し上げます。  現在、浅草の基盤整備、とりわけ街区の状況につきましては、関東大震災後の区画整理のため各街区の面積が狭いことや、道路につきましても狭隘な箇所が多く、防災面、土地の利用面、さらに車社会となった現状からも解決すべき課題が多い状況と思います。例えば、専用商業施設平均建設面積では、新宿副都心の三百六十六平米に比べ、上野、浅草では百八十三平米と、実に二分の一の規模となっております。また、福岡市ではホテル、娯楽を中心とした「キャナルシティ」や、商店街を再構築した「下川端地区再開発」などのような大規模な再開発事業を展開しております。このような中で、浅草において現状の街区で再開発を行った場合、大規模の再開発は望めず、先ほど述べましたような、二十一世紀に通用する夢を持てるようなまちづくりの実現にほど遠いものとなってしまう危惧があります。  私は、このようなことから、思い切った基盤の再整備につきましてご提案させていただきます。また、浅草のよいところを残しながら、国際通りなど幅員の広い道路に面した街区など、アメリカのスーパー街区のように背面の敷地を統合するなどにより、効率的な土地利用が図られる街区として大規模な再開発が可能となる計画はいかがでしょうか。区長の答弁をお願いいたします。  次に、ハードとソフト面からの総合的なまちづくりの支援につきましてご質問申し上げます。  浅草のまちづくりは、江戸時代からの伝統的な産業や芸能、そして多彩な観光資源が数多くあります。芝居、飲食など各種商業施設の複合的かつ有機的なつながりにより発達してきました。現在でも、初もうでや三社祭では百万人を超す来街者があります。私は、浅草の再生の重要なポイントは産業や芸能、祭りを初めとする各種イベントなど、ソフト面の充実が不可欠と思っております。広場をつくり、そこでいつもイベントや大道芸などできるような場所を提供することが重要と考えます。単に、魅力あるデザインや景観など創出した再開発を中心としたハード面のみを支援しても、町の活性化を実現することは困難であります。浅草の来街者にとって、滞在時間の長い回遊性のあるまちにするには、先ほどのハード面とソフト面の有機的な連携によって相乗的なまちの活性化が期待できるものと確信いたしております。私は、浅草の再生には台東区のこのようなハードとソフトのバランスのとれた総合的な支援が必要と思われますが、区長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、少子社会における子育て支援政策について質問させていただきます。  出生率の低下で子供の数が少なくなる、いわゆる少子社会は、今日大きな社会問題となっております。少子社会の要因は『結婚はしたくない』『晩婚でもよい』『子供は要らない』といった社会意識の変化と、『育児と仕事の両立が難しい』『教育や住宅問題などで子育てが大変』といった社会環境の変化などの要因が挙げられます。国や東京都でもこれらの要因に対しての子育て支援対策の充実を急いでいるところであります。  また、現世代の単純再生産を維持するのには二・一人が必要といわれ、合計特殊出生率は平成六年、現在の台東区では一・一人で、実に全国平均一・五人、東京都平均一・一六人より低く、台東区ではまさに深刻な少子社会に直面していると言えます。さらに、共働きや一人親家庭の存在は言うまでもなく、今日複雑な産業構造の中で中小企業の多い我が区では、一家総出で、あるいは経営者を含めた会社ぐるみで夜遅くまで働くことが多い業種や、上野、浅草を中心とした歓楽街など就業形態も多様化しており、子育て支援の拡充は大変重要な課題であると言えます。区政の光は、すべての台東区民に対し公平かつ平等に当てられなければなりません。私は、このような区政に対する私自身の政治信念に基づき、台東区の子育て支援の拡充として、以下四点を区長に提案し、質問させていただきます。  その一つは、区立保育園で夜間型保育園を二園で実施し、既に午後十時まで実施している私立保育園の二園を含めた合計四園で夜間型保育園を実施し、通常の昼間の保育園児の中で急用で子供を預けなければならない状況も考えられます。保護者の事前申請などで一時的に、必要に応じ夜間型保育園に預けられるような体制はとれないかと思っております。  二点目は、学童クラブでの時間延長について提案いたします。  現在台東区で実施している学童クラブでは、夕方五時まで、一方保育園では、区立保育園の三園と私立保育園の一園で午後七時までの延長保育をしております。私立保育園の二園で午後十時までの夜間型保育を実施しています。まだ親の手を必要とする低学年に対しての学童クラブでも、それらの保育園の延長時間に準ずるのは当然のことではないでしょうか。  三点目は、学童クラブでは小学校一年生の入館希望者は全員許可すべきだと思います。小学一年生こそ、保護者が仕事と両立させる一番大切な調整期間であります。施設が対応し切れない場合は、臨時に学校のあき教室、廃校になっている学校校舎を活用するのも一つの方法だと思います。  四点目は、現在建設計画が進められている…… ○議長(大場功一 さん) 田中伸宏議員に申し上げます。規定の時間を超過しましたので…… ◆二十四番(田中伸宏 さん) 以上、三点についてご質問申し上げます。 ○議長(大場功一 さん) 答弁は意のあるところを酌んでいただきましてご答弁いただきますように。  区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 田中議員のご質問にお答えを申し上げます。  ご質問の第一は、最近の区議会の状況についてどう考えるかについてでございます。  まず、地方自治のあり方についてでございますが、議会と執行機関は車の両輪として区民福祉の向上のために、それぞれの役割を十分発揮していくことが地方自治の望ましい姿だと考えております。  次に、最近の台東区議会の動向をどのように感じているかとのご質問ですが、私は、議員の皆様方がみずからの考えに基づき政策を研究し、また、切磋琢磨されていることのあらわれであると存じております。  ご質問の第二は、「幸せの黄色い自転車」についてでございます。  放置自転車対策は、これまでも自転車駐車場の整備に合わせ、その規制対策に努力してきたところであります。  しかし、区内各駅周辺の放置はなお著しくまちの美観を損ない、安全な歩行の障害となっております。それだけに、ご提案のような「角度を変えた視点」からの検討も大切かと思います。  現在区では、議員ご提案の「幸せの黄色い自転車」構想をきっかけとして、「自転車対策事業調査」に着手したところでございます。本調査は、台東区の自転車利用の特性を踏まえ、自転車利用のあり方について検討を進めることといたしております。  「構想」の実現にはさまざまな問題点や困難な制約もありますが、今後、調査の結果に基づいてレンタサイクルの導入や自転車対策モデル地区の設定等の検討を進めてまいる所存でございます。  ご質問の第三は、新生浅草まちづくりについてでございます。  まず、まちづくりへの取り組みについてでございますが、区では二十一世紀初頭の台東区のあるべき姿を総合的に示した「まちづくり方針」の策定とともに、「浅草駅周辺都市整備調査」などを進めてまいりました。今後、常磐新線の開業などに向けて、まちづくりの取り組みについては地権者や住民の方々と十分話し合いを進めてまいります。  次に、長期的視点に立ったまちづくりについてでございますが、二十一世紀の浅草にふさわしいまちづくりについては、今後とも伝統や文化、産業と観光などさまざまな角度からの検討が必要と考えております。ご提案の街区の再整備につきましても、まちづくりの手法の一つとして有効なものと考えております。  最後に、総合的なまちづくりの支援でございますが、今後とも伝統や文化を生かしたまちづくりについて、ソフトとハードのバランスのとれた総合的な支援を進めてまいりますので、よろしくお願いをいたします。  第四、子育て支援政策については、これは私の方にちゃんとあれが出ておりますので、お答えを申し上げます。  最後のご質問は、子育て支援についてでございます。  まず、区立保育園における夜間型保育園についてでございます。  現在、私立の二保育園において夜十時までの夜間保育を行っておりますが、利用者が少ないのが現状でございます。区立保育園では、夜七時までの延長保育を三園で実施しておりますが、夜間保育実施につきましては、保育需要や公私立の役割分担を考慮し検討してまいりたいと思います。  また、夜間の緊急一時保育につきましては、今後需要等を見ながら研究してまいりたいと存じます。  次に、学童保育クラブの時間延長についてであります。  現在、学童保育クラブでは保護者の希望に応じて午後六時まで時間延長を実施しております。ご提案の時間延長の拡大につきましては、具体的な実施方法について鋭意検討しているところでございます。  次に、小学一年生の入会希望者の全員許可についてでございます。  ご提案の件につきましては、四月当初全員が入会できるよう配慮しているところでございます。しかしながら、年度途中の申請につきましては、地域によって定員超過のクラブがあり、受け入れが困難な場合もございます。それを解消するため、早期に新しいクラブの開設を図るべく検討しているところでございます。  次に、(仮称)「たいとう・こどもの城」に子育て支援センター機能を取り入れるべきとのご提案でございます。  計画では、(仮称)「たいとう・こどもの城」を子育て支援の核施設として位置づけており、現在、子供と家庭を支援するためのさまざまな事業を検討しているところでございます。  したがいまして、ご指摘の子育て支援センター事業につきましても、視野に入れてさまざまな角度から準備を進めてまいりたいと存じます。  また、(仮称)「たいとう・こどもの城」と保育園・学童保育クラブの役割分担について、今後明確にしてまいりたいと存じます。  以上でございます。ありがとうございました。 ○議長(大場功一 さん) 一番鈴木 茂さん。   (一番鈴木 茂さん登壇) ◆一番(鈴木茂 さん) 自由民主党の鈴木茂でございます。  昨年十一月に引き続きまして、今年度またこの質問の機会をちょうだいしましたことに、自由民主党の先輩諸氏に感謝申し上げます。  質問に移らせていただきます。  最初に行政改革についてでございます。  我が台東区区議会自由民主党は、第二期飯村区政発足以来、終始一貫行政改革を提言してまいりました。と申しますのは、区財政が極めて悪化の一途をたどっているからでございます。例えば、経常収支比率を見ますと、平成元年には五四・八パーセントであったものが、平成六年には九〇パーセントを超えました。平成七年度に八九・九パーセントに達しております。  また、平成四年度末には五百七十億円あった積立金、預金が今年度末には三百三十七億円に減少する予定であります。一方、特別区債、借金は四百四十五億円に増大しているところであります。このままでは、高齢化のピークに達する二〇一〇年ごろには大変な時代になるのではないかと想像できます。  そこで我が党は、具体的に昨年九月二十五日、政務調査会が八項目からなる行政改革の提言を行いました。それに対して区長は、不退転の決意で行政改革に当たると意思表明を行い、行政改革大綱を作成なさいました。現在、その歩みを確実にしているものと思います。  そこで、台東区行政改革大綱に基づく見直し実施の進展状況についてお尋ねいたします。  鋭意検討中などとは申さずに、具体的なご答弁をお願いいたします。  一、執行方法の改善のうち、管理的経費の節減状況。  二、執行体制の効率化のうち、職員の能力開発の状況。  三、健全な財税運営の確保のうち、税等の収入確保の現状、保有財源の積極的活用。
     四、施設の設置及び管理の合理化、具体的にはリサイクルセンターとか、幼稚園の適正配置等についてお答え願います。  次に、外郭団体についてですが、今日の厳しい社会経済情勢の中で、団体の事業内容、役割、組織や役員等の状況を総点検し、効率的な事業や団体組織のあり方について見直しを行う必要があります。というのは私が言っているのではなくて、行政大綱の中で述べているところであります。  例えば、外郭団体の平成七年度の決算では、人件費の占める比率は、区役所の二〇パーセントに対し、まちづくり公社が六七・一パーセントに代表されるように、その比率が極めて高いように思われます。また、嘱託を除く常勤職員一人当たりの給料も、ある団体では一人八百二十七万円とかなり高額に達しているように思います。私は、この人件費をもう少し削減すべきだと思い、区長のお考えをお聞かせください。また、大綱の中で述べられている民間企業への移管、委託等について、その後の進展状況、今後の見通しについてお考えをお聞かせください。  続きまして、高齢者サービスについてお尋ねします。  現在、台東区では健康づくり課と歯科医師会との協力で寝たきり高齢者歯科診療事業を行い、区民から大変好評を博しております。  この事業の目的は、単に歯の治療をするということだけではなく、寝たきりの高齢者の口の健康を保ち、口の機能をよくすることを通して、食べるという日常生活の動作を向上させ、さらに高齢者と介護者の生活の質、すなわち人間らしい生活をより豊かにするものであります。この目的を達成するためには、当然歯科医師会だけではなく、在宅ケアにかかる方々との有機的な連携が必要となります。  具体的に例を挙げれば、食べる機能に障害のある高齢者に対し、義歯をつくっただけでは何の役にも立ちません。義歯を入れると同時に機能回復のリハビリが必要であり、そのためにもケアにかかわる多くの職種のチームアプローチが必要となってまいります。  新ゴールドプランでは、「総合的サービスの提供、地域主義、在宅サービスの複合化・ネットワーク化」と述べておりますが、これからの高齢者に対する在宅サービスの課題は、保健、医療、福祉のそれぞれの枠組みを超えて在宅ケアを総合的に実施するシステムを地域に確立していくことにあるはずです。そしてそのためには、まず個々の高齢者のニーズを総合的に把握するための在宅ケア窓口を一本化することや、適切なケアプランを立てるためのシステム等をつくることが必要と思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  続きまして、東武浅草駅周辺都市整備についてお尋ねいたします。  今、浅草では常磐新線、仮称浅草駅建設が進められております。しかし、地元では単なる通過駅になってしまうのではという危惧の声も聞かれます。その原因の一つには、私は東武浅草駅との整合性の問題があると思います。  その東武浅草駅に関しましては、去る六月十七日の区議会再開発・交通網整備特別委員会で、担当課長より「浅草周辺都市整備について」と題して報告がありましたが、「浅草周辺地区都市整備計画策定調査委員会」によって結論づけられたものを説明するだけの形にすぎず、三年間一度も議会に報告されないまま、トータルで七千万円という巨費を投じたにしてはいささかお粗末な内容であったと指摘せざるを得ません。そこで、当該委員会はこれを了承せず、約一カ月後の七月二十五日、再び同委員会を再開、担当課長より調査報告の概要の説明を受けましたが、それでも、平成六年三月に発表された「台東区まちづくり方針」を単に踏襲しただけで、とりわけ重要である東武浅草駅については、図表と条件項目を列挙するにとどまっておりました。  この計画案が議会に報告されて以来、地元住民のみならず商工観光団体も大きな関心を寄せ、直接東武鉄道にその真相を探った方々もいたと聞いております。それによりますと、東武の態度が極めて消極的になっているということであります。それを裏づけるかのように、七月十八日、この問題について説明を求めた浅草観光連盟の幹部会の席には、説明側として台東区都市整備部担当者のみが出席し、東武鉄道からはだれも出席しなかったとのことであります。  こうした状況の中ではありましたが、担当の近藤助役は「今後、積極的にまちに入り、広く意見を聴取しつつ、具体的な方策を決定づける指針としたい」旨の決意表明を行いました。  そこでお尋ねいたします。  一、「まちに入り」とおっしゃっておりますが、ここで言うまちとは商工観光団体だけではなく、幅広い地域住民の声と解釈してよろしいでしょうか。  二、広く意見聴取をいつから、どのような形で行うのでしょうか。  三、今後も、――この辺重要でございまして、――この委員会の継続をお考えですか。もし継続をお考えの場合に、東武側が委員会に参加を望まなかった場合には、区単独でもおやりになるつもりですか。  四、消極的、及び腰と言われる東武鉄道の姿勢を転換させ、官民一体の一大プロジェクト完遂に向けての区長の決意のほどをお聞かせください。  次に、教育委員会にお尋ねいたします。  最初は教科書問題であります。  来年度より教科書が変わりまして、中学校の社会科教科書に従軍慰安婦問題が記述されます。従軍慰安婦という言葉はなかった、従軍看護婦とか従軍記者という言葉はありましたが、これは後ほどつけられた名前であります。ただ、残念なことに教科書の採択権は我が台東区の教育委員会にありません。承知しておりますが、重要な問題なので教育長にお伺いいたします。  社会科の教科書が、今回改訂でとりわけ自虐的と言われるような傾向が大変強くなっている、それをどうお考えでしょうか。首を傾げたくなる箇所がたくさんありますが、今回は、特に従軍慰安婦問題について質問いたします。  この問題に関して、教科書会社東京書籍は「従軍慰安婦として強制的に戦場に送り出された若い女性も多数いた」と記述しております。他の六社も大同小異です。ここで問題なのは、従軍慰安婦の強制連行が疑問の余地のない事実として断定されている点であります。  しかし、従軍慰安婦の強制連行があったという根拠はほとんどが一方的な被害証言です。確かに九十三年八月に、当時の河野洋平官房長官が談話を発表し、募集が「総じて本人たちの意思に反して」と述べられています。実はこれに主語がありません。摩擦を恐れて玉虫色の表現にしたのでしょうか。いつの間にかその主語は「日本の官憲」になってしまったのです。  ことしの二月、国連人権委員会の従軍慰安婦問題に関するクマラスワミ女史の報告書でも、「官憲が強制連行したという証拠は見つかっていない」と指摘しております。それに、従軍慰安婦という表現自体が正式名称ではありません。  歴史の側面は一つだけではないはず、だからこそ、そのさまざまな側面に対する複眼的な見方が必要であります。こうした見方をしてこそ、初めて歴史の真実が浮かび上がります。明確な根拠を示さないにもかかわらず、過去を全面的に悪と決めつけるような姿勢は間違いではないでしょうか。第一、母国を一方的に断罪し、子供に誇りを失わせるような教科書は世界にその類を見ません。そういう教科書は教科書とさえ言えないと私は断言いたします。  公教育の場に、そもそも中学校段階で従軍慰安婦問題をあえて取り上げるということについて、教育長はどうお考えでしょうか。また、事実確認のはっきりしない問題に関する記述について、採択権のある都に対しどう働きかけていくか、具体的にお考えをお聞かせください。  続きまして、学校のスリム化についてお伺いいたします。  ご承知のとおり、現在の学校教育はいじめや不登校に代表されるさまざまな問題を抱えております。その原因の一つは、私は伝統的な地域社会と家庭の「生命共同体」が、高度経済成長とともに急速に崩壊した、つまり学校教育を成立させてきた前提条件が大きく変質したにもかかわらず、学校に対する一般の見方はこれまでと全く変わっていない。そんな硬直した「学校信仰」、すなわち制度疲労が顕著な学校システムと、それに対する現状認識の甘さにあると考えております。  この状況からの脱却を目指す動きはあります。例えば、経済同友会教育委員会の提言もその一つであります。その中で、「今の学校は学力形成だけではなく、人格形成も期待され、さまざまな課外活動や生活指導、進路指導など種々雑多な役割を抱え込んでいる。そのために『創意を生かす教育』を進めるための『教師が創意を生かし、工夫を凝らす』等の余裕がないだけではなく、国民共通の『基礎・基本』の指導という義務教育本来の目的さえ果たせなくなっているように見える」という指摘があります。また、こういった現状打破のために「学校のコントセプトを考え直そう」という声が各界から上がっております。それについて、教育長はどうお考えでしょうか。  そして、当然のことながら、教育長のお考えの中では学校のスリム化ということ、すなわち「そのために家庭や地域社会が知恵と力を出し合おう」「家庭や地域社会が何ができるか考えよう」「教育に多様な人々が参加できるようにしよう」などもその視野に入れていると思います。現時点で「学校のスリム化」に対してどう努力なさっているか、お聞かせください。  続きまして、最後に、小・中学校の不登校に対してお尋ねします。  「学校嫌い」を理由に、全国で、平成七年度で三十日以上欠席した、また五十日以上欠席した児童・生徒について文部省の基本調査が八月七日に発表されました。  三十日以上につきましては、八万一千人、そして小学校では五百人に一人、〇・二パーセント、中学校では七十人に一人、約一・四二パーセントであります。五十日以上につきましては、二十一年間連続して増加しております。六万六千人で、小学生の占める割合が〇・一四パーセント、中学生が一・一八パーセント。ここで台東区と比べてみますと、台東区の小学生の場合は〇・二八パーセント、中学生二・五六パーセント、五十日以上で〇・二パーセントと二・三五パーセント、小学校の場合は全国平均とほぼ同じ、しかし、中学校になるとこれは二倍になっている、ここが問題だと思うわけであります。  そこでお尋ねします。昨年同様中学校の登校拒否の出現率の割合が、全国平均の二倍になっている原因は何であるか、お聞かせいただきたい。  そして二番目は、いろいろ対策をおとりになっていると思いますが、昨年からまたことしと比べまして一向に歯止めがかかってない、このことについてお考えをお聞かせください。  私はその対策としまして、教育相談所の充実や相談方法の改善が大切だと思っております。しかし、教育相談所、今金竜小学校跡地にございますが、これは悲惨なものでございます。廃屋と間違えるほどのものであります。とても進んで相談を受けようとする気持ちが起きる雰囲気ではありません。その暗さ、貧弱さは他の自治体と比べれば一目瞭然であります。行政の怠慢であると指摘せざるを得ません。確かに生涯学習センターが建設が予定されております。その間あのままでいいのかということであります。たくさん立派な施設をつくっておりますが、議員の先生方ぜひ見てやってください。先ほどうちの実川議員からも学校の格差にありましたが、ぜひ金竜小学校跡地、あそこを直せと言っているのではなくて、坂本小学校跡地等に移転したらいかがでしょうかと提言申し上げます。  また、教育研究所としての機能が今のままでは果たせません。教育資料館としての役割もあるわけですが、あそこで本を置いておくことさえできない。ですから、生涯学習センター完成までの間、どこかに移転して機能を発揮していただきたい。  二番目に、不登校学級、あしたば学級があります。この担当者と先日お会いしましたら大変苦労しておりまして、三角定規等の教具を買うのにも困っていると、ぜひその点配慮していただきたいと先生たちは言っております。どうぞ予算の増額をお願いしたい。  最後に不登校の原因は、かつて心因性タイプ、心因性というのは心の問題の方でございます。多かったのですが、今、怠け型のタイプが多い、七割が怠け型だと、そういう指導に対しましては、ノンデレ中心の相談活動では非常に対応が難しいのではないか。実際に、文部省指定の不登校研究推進自治体を何カ所か回ってまいりましたが、大抵の場合、ノンデレ中心の来所相談から脱却して、大学院生などの臨時の職員を雇って、チームをつくりまして、訪問相談の行動療法に出ております。本区でもぜひこの現状を開拓するために、チームを組んでの訪問相談の一層の強化を必要と考えますが、訪問相談の充実についてお考えをお聞かせください。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(大場功一 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 鈴木茂議員のご質問にお答えを申し上げます。  ご質問の第一は、行政改革についてでございます。  まず、光熱水費、消耗品費などの管理的経費などの節減については、平成八年度予算の執行において、従前にも増して効率的、効果的な執行に努めるよう依命通達によりその徹底を図っているところであります。また、職員の行政改革への取り組みを促すための庁内広報による周知など、あらゆる機会を通じ職員の意識向上に努めているところであります。  次に、職員の能力開発についてでありますが、主任主事や係長など各職層にわたる研修並びに実務研修を実施し、きめ細かな対応をしているところであります。また、今年度は新たに自己変革を進めるための研修として「ライフ・デザイン研修」を新設したところでございます。今後とも、より一層職員の能力開発に取り組んでまいります。  次に、特別区民税の滞納整理の取り組みについては、本年四月に三名編成による特別整理班を発足させ、例年よりも三カ月ほど早く九月早々に電話加入債権の公売を行ってまいりました。  また、解決困難な事例につきましては、他府県に所在する不動産等の調査を進めるなど、専門的かつ高度な滞納整理に取り組んでいるところであります。  次に、保有財産の積極的活用については、旧下谷小学校を平成八年四月から学校法人嘉悦学園に対し貸し付けしております。他の区有財産につきましても、必要に応じ有効活用を進めてまいりたいと考えております。  次に、リサイクルプラザの管理運営の合理化についてであります。  なお、区立幼稚園に関する質問につきましては、後ほど教育長がお答えいたします。  リサイクルプラザにつきましては、集会室の管理、建物の日常清掃等をシルバー人材センターに委託する予定にしております。  最後に、外郭団体の見直しについてでありますが、本年五月、外郭団体あり方検討委員会を設置し、関係職員による人件費を含めた補助金等のあり方、事業内容、組織など、総合的な検討を進めているところでございます。今後、外郭団体からヒヤリングを実施するなど、外郭団体の機能が十分発揮できるよう、将来を見据えた検討を進めてまいりたいと考えております。  なお、検討期間は、平成八年、九年度の二年間を予定いたしております。  ご質問の第二は、高齢者在宅サービスについてであります。  高齢者一人一人の状況に応じて、必要とされるサービスを総合的に提供するために、高齢者のニーズを総合的に把握し、適切なケアプランを作成することが重要であると私も考えております。そのため、総合相談窓口や高齢者在宅介護支援センターにおいて、ニーズの総合的な把握に努めるとともに、医師会や保健所等とのケース検討や連絡調整会議などを活用し、適切なケアプランの作成を心がけてまいります。  また、今年度三ノ輪地区において高齢者在宅サービス推進モデル事業を実施し、総合的なサービスの提供を試行しているところであります。今後とも、関係機関との連携を一層密にして在宅福祉の推進に努めてまいる所存であります。  ご質問の第三は、東武浅草駅周辺都市整備についてでございます。  まず、地元説明の状況でございますが、現在区では地元団体に対して概要説明を行っており、こうした機会をとらえ、一層広範囲の皆様方に説明をしていく考え方でございます。さらに今後は、地元のご意見、ご要望を伺い、浅草駅周辺地区の将来像について協議してまいりたいと考えております。  次に、東武鉄道との協力体制についてでございます。  東武鉄道は、東武浅草駅大改良のためには地元の協力が不可欠との考え方から、区と協力してこの構想を検討してきたところでございます。区としても、この地区のまちづくりは東武鉄道と一体となって進めていくものと考えており、今後も台東区単独で構想を進めていくことはございません。今後、地元、東武鉄道との協議のもとに実現に向けて一層の努力をしてまいりますので、議員の皆様方のご協力をよろしくお願いをいたしたいと思います。  調査委員会の継続についてお尋ねでありますが、既に整備構想が提案されましたことから、今後委員会を継続することは考えておりません。  ご質問の最後にまいります。  事務事業の民間委託につきましては、平成七年度に区立伊東保養所の管理運営を委託し、また、本年は文書交換便の運行、保育園の給食調理業務など、五事業にわたり民間委託を開始、あるいは拡大いたしております。今後も行政改革大綱の趣旨を踏まえ、積極的に委託化を進めてまいりたいと思っております。 ○議長(大場功一 さん) 現在はそのようにご解釈いただきまして、第一問の最後の答えということでご理解いただきたい。  次に、教育長の答弁を求めます。   (番外教育長眞田重行さん登壇) ◎教育長(眞田重行 さん) 鈴木 茂議員の教育に関するご質問に順次お答えを申し上げます。  まず、行政改革のうち区立幼稚園適正配置の取り組みについてでございます。  平成五年七月の「台東区立幼稚園三歳児保育及び適正配置について」の実施計画に基づき、集団教育の重要性、幼児教育の視点から十名未満の学級の解消を図っているところであります。平成八年度現在では、三園が既に廃園し、二園が休園となっております。今後ともこの計画に基づき、幼児教育の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。  次は、来年度より使用される社会科の教科書についてであります。  来年度から使われる中学校社会科の教科書の従軍慰安婦の記述や、その指導についてですが、区教育委員会といたしましては、文部省が教科書検定の際に戦後補償問題等の国の基本政策についての政府の見解を踏まえ、記述を認めたものと受けとめております。  歴史的な事実に対しましては、さまざまな見方、考え方がございますが、本区の中学校におきましては学習指導要領に基づき、国際社会の平和に貢献できる児童・生徒を育てていくことが何よりも大切なことと考え、適切に歴史の指導を進めるよう指導・助言してまいりたいと考えております。  また、教科書の採択につきましては、市町村では採択の権限を有しておりますが、特別区においては東京都教育委員会が採択の権限を持っております。区での教科書の採択につきましては、特別区制度改革の中で予定されておりますので、よろしくご理解のほどお願いいたします。  次に、学校のコンセプトについてお答えいたします。  これからの学校教育は、生涯学習の視点に立ち、子供たちがみずから学び、考え、主体的に判断し行動する力など「生きる力」の基礎基本の育成が重要であると認識しております。  また、学校教育の機能の肥大化の実情を踏まえ、スリム化が指摘されております。中央教育審議会の第一次答申に示されているように、子供たちの教育は単に学校のみが担うのでなく、家庭や地域社会のそれぞれの機能を認識して適切に役割分担を果たし、連携を強めていくことが大切であると考えております。  この認識に立って、現在台東区におきましては、連合行事・学習指導法などの教育活動の見直しを行うとともに、科学博物館などの教育機関や文化施設との連携も進めております。  今後、国の動向を踏まえ、学校の教育機能の分散化等について研究してまいりたいというふうに思います。  次に、不登校問題についてのご質問でございますが、議員ご指摘のとおりでございまして、厳粛に受けとめているところでございます。  そこで、各学校におきましては、心を酌み取る児童・生徒理解を基本に据えて研修を深め、教職員が互いに情報を交換しながら、わかる授業・学ぶ喜びのある授業への改善を図り、明るく充実した学校生活を送ることができるよう、教職員一丸となって取り組んでおります。  また、本年度より「健全育成推進委員会」を設け、多様化、複雑化している要因や背景、実態の分析を通して不登校児童・生徒に対する具体的な指導や対応について研究を進めているところであります。  次に、教育研究所の施設につきましては、(仮称)生涯学習センター建設の計画に基づき、その工事中の移転先等に対しまして適切に対応してまいりたいというふうに考えております。  なお、あしたば学級の設備・備品等の整備につきましては、鋭意努力をしてまいります。あわせて訪問相談の充実につきましては、研究を進めてまいりたいと存じます。 ○議長(大場功一 さん) 二十八番足立守夫さん。   (二十八番足立守夫さん登壇) ◆二十八番(足立守夫 さん) 平成八年第三回区議会定例会に当たり、私は、台東区議会公明を代表して当面する区政の課題について、三点にわたって区長に質問をさせていただきます。  質問の第一は、痴呆性高齢者福祉対策の充実について、三点についてお伺いいたします。  平成四年に厚生省がまとめた「老人福祉計画策定に当たっての痴呆性高齢者の把握方法について」によりますと、平均して六十五歳以上の高齢者のうち、六・三パーセント程度が痴呆症になると言われております。  九月一日現在、本区における六十五歳以上の方は、二万九千八百九人、構成比約一九・三八パーセントであります。これで計算しますと、約一千八百名もの方が痴呆症になる可能性を持っているということになります。高齢者福祉施策に対しては、その充実のために常に先進的に取り組んできました本区にあって、今後、早急に対策を講じなければならないと考え、この痴呆性高齢者の対策の充実について質問をさせていただきます。  現状においては、痴呆の根本的な治療方法はまだ確立されておりません。したがって、対策はどうしても介護が中心にならざるを得ないわけであります。しかも、痴呆性高齢者の介護はある面では寝たきり高齢者の介護以上に大変な実態があるとも言われております。  先般、中野区で実施しましたこの痴呆性高齢者に対するアンケートの中で、痴呆性高齢者がどんな公的サービスを受けているかとの問いに対して、ホームヘルプサービスや訪問看護を利用している率は低く、同時に利用したいという希望も低かったということであります。それに対して、デイサービスやショートステイの利用については大変好評で、利用を希望される方は七割もいらっしゃるとのことであります。特に、デイサービスは本人にも介護者にも大変好評で、その拡大充実が求められるということでありました。  そこで質問の一点目は、痴呆性高齢者のデイサービスの充実についてお伺いいたします。  こうしたデイホームサービスの対象となる方の痴呆の症状は、中くらいの方だと思います。プログラムに沿って心身の機能回復、または維持を図る、さらに家族の負担軽減、介護技術の研修を図るなど、ますますこの事業の充実が重要となってくると思います。  本区におきましては、こうした痴呆性高齢者のデイホームサービスは三ノ輪の高齢者在宅サービスセンターで実施しております。利用回数は、一人週二回が原則であります。いわゆる、普通のデイホームサービスを利用しているお年寄りに比べ、曜日やあるいは日にちなどの判断、管理がしにくい痴呆性高齢者にとってはできる限りサービスを受ける時間をふやしてあげることが重要と考え、利用日数の増加を図るべきと思いますが、いかがでありましょうか。区長の見解をお伺いいたします。  また、区内の各特養ホームで一般の方と一緒のデイサービスを受けている痴呆症の方もおられます。しかし、痴呆性のお年寄りが普通のデイサービスに通うお年寄りの中に入った場合、みんなとのテンポが合わないために、他のお年寄りが変に興味を示したり、次回から来られなくなることもあるようであります。したがって、できるだけその人たちとは分けてデイ・ケアを実施することが望ましいとも言われております。区民が身近なところでサービスを利用できるよう、地域的偏在を解消させるためにもぜひ二番目、三番目の痴呆デイサービスセンターの開設を強く望むものであります。場所につきましては、地域コミュニティーの拠点ともなっております、小学校の余裕教室等の転用なども考えられると思います。あわせて区長のご見解をお伺いいたします。  二点目は、痴呆性高齢者グループホームケアの実施についてであります。  一昨年十二月、厚生省が発表した新ゴールドプランに痴呆性高齢者対策の目玉として、グループホームなどの充実を図ると明記されております。また、グループホームとは痴呆性高齢者のための小規模な共同生活の場と定義づけております。グループホームは、一九八五年、福祉先進国スウェーデンの医師バルブロ・ベック・フリス氏の発案で寿命は延ばせなくとも、痴呆性高齢者に人間らしい生活を人生の最後まで楽しんでもらうことを目的として実験的に始められ、七年後の一九九二年には六千七百人分、一千カ所に広がり、この試みはスウェーデンの痴呆性高齢者ケアのあり方を医療中心から生活援助、リハビリ中心に大転換したものと高い評価を得ていると報告されております。  現状においては、痴呆性高齢者がデイサービス、ショートステイなどでサポートを受けながら、在宅生活の継続が困難になったときに受け入れてもらうところは、特別養護老人ホームであります。しかし、痴呆性高齢者の特徴として家庭的な環境、一人一人に応じた介護、なじみの人間関係などが特に必要であり、特養ホームのような集団的なケアは、痴呆性高齢者にとっては介護の場としては必ずしも十分とは言えないといわれております。
     近年、日本においても痴呆性高齢者が小グループで介護者と生活をともにし、家庭的な環境の中で介護を受けることができるグループホームケアが注目され始めております。その報告書によりますと、ケアスタッフがともに「一緒」に「ゆっくり」「楽しく」、家庭的な環境で残存能力を引き出しながら適切なケアを行っていけば、その結果、失禁が治る、言葉数がふえる、表情が明るくなる、社交性や自立能力がアップする等々、徐々にその効果があらわれてくるというものであります。痴呆性高齢者の病気そのものを治すことは難しいが、問題行動は減少し、痴呆の症状が和らぐことが立証されております。  本区におきましては、ぜひこうした先駆的な試みにいち早く取り組み、痴呆性高齢者対策の充実を図ってほしいと思います。区長の積極的なお答えを期待するものであります。  三点目は、痴呆性高齢者の財産管理の援助策についてお伺いいたします。  高齢者にとりまして、その財産は老後の充実した生活を守るためにかけがえのないものであります。しかし、高齢者の方が悪徳商法や詐欺的商法の被害にあったり、一人暮らしで入院したときの金銭管理で困っている事例などよく耳にいたします。こうした状況のもとで、今日特に痴呆性高齢者の財産管理に対する援助が急務であると考え、お伺いをいたします。  本区におきましては、既に「おとしより公社」におきまして、高齢者にかわって財産保全・管理サービスや貸し付けサービスを実施しております。しかし、現行では本人の意思能力がなくなった時点でその資格がなくなるとなっております。すなわち、不幸にして痴呆の症状があらわれ、いわゆる意思能力がなくなったお年寄りは、これらのサービスを断られることになってしまうのであります。  昨年十月、品川区では全国で初めて痴呆性高齢者などで判断力がなくなった後も、サービスを継続する特約制度を導入しているとのことであります。ここでは、検討委員会メンバーに民法についても詳しい見識をお持ちの先生にも入っていただき、種々協議の結果、財産保全・管理サービスや貸し付けサービスの契約を公社と結ぶ際、痴呆症状が出た場合も「特約」により代行サービスの代理権が継続するという民法上の解釈を取り入れ、こうした制度ができたというものであります。  私自身、実際に痴呆性高齢者の財産をめぐって親族間のトラブルが起こっていることも見ております。判断能力があるうちに、自分の財産の使い方を託せる公的機関などが身近にあれば安心していられるのではないかと思うのであります。意思能力を失った後は、本人の意思はともかくなおざりにされがちな社会的傾向があるだけに、今後ますます増加が予測される痴呆性高齢者の権利を守る観点から、こうした援助制度の創設にぜひ取り組むべきではないかと考えます。区長のご見解をお伺いいたします。  質問の第二は、災害対策についてであります。  去る九月一日、寿町連を中心に防災訓練が実施されました。関係職員の皆様のご努力とご苦労にあらためて敬意を表する次第でございます。参加された区民の皆さんも真剣に取り組んでおられました。特に、自衛隊員や消防団員の方々とともに家屋が倒壊し、閉じ込められた人の救出訓練や自動車の中から助け出す訓練などは、まさに真剣そのものでありました。  ただ、新堀通りという余り広い場所ではありませんでしたので、たくさんの参加者がございましたので、その一部の人しか見られなかったのが少々残念でありました。こうした訓練は、今後も小単位でも継続して実施すべきと考えるものであります。  そこでこの項での質問の一点目は、昨年の区議会第三回定例会におきましても、我が会派の同僚議員からも質問をいたしました夜間訓練についてお伺いいたします。  この夜間訓練につきましては、既に足立区においては昨年五月に第一回目を行い、二度目をこの八月三十一日にも区挙げて大々的に実施をしております。特に心配な医療に関する訓練、あるいは停電状態の中での明かりの確保の仕方。例えばこれは、コップ一杯のサラダ油とティッシュペーパーがあれば二十時間明かりの確保が可能になるとか、さまざまな昼間ではわからなかった効果のある訓練ができたとのことでございました。この内容につきましては、現在東京都におきましてビデオテープを作成中とのことでございますので、完成をしましたら見せていただきたいと思っております。  まさに、災害はあの阪神・淡路大震災のように時間を選んでくるものではありません。まして、現在改定中の地域防災計画の中では、地震発生の想定時間は、冬の夕方六時ごろとなっております。ふだん参加できにくい区民の方々の参加対象者の拡大など、多くのメリットがあると考えられますので、こうした夜間訓練について早急に取り組むべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。  次に、避難所体験についてお伺いいたします。  これは、文字どおり実践的な合宿を通じ、区民の方に災害発生時の対応の仕方を身につけていただくため提案をするものであります。先ほど、足立区での夜間訓練の例を申し述べましたが、この訓練の際、一泊の宿泊体験に二百名が参加をして同じ日に行われました。区内のスポーツセンターが実際の避難所でもあり、参加者の方々はさまざまな教訓が得られたと評判であったとのことでありました。  また、世田谷区では七月二十六日から二十八日まで二泊三日の日程で体育館を使い、あらかじめ募った五十人の希望者が参加をして実施をされました。体験期間中、人工呼吸や心肺蘇生法など、救命法の講習を受けたり、広域避難場所まで歩き非常食を試食したり、防災用備蓄倉庫を見学するというものであったそうであります。ここは参加費として二千円が必要でありましたが、かなり好評であったとのことであります。  本区におきましても、こうした避難所体験をとりあえず何カ所か検討し、できれば避難所として指定されております学校単位に実施してはと提案をいたします。この点につきまして、区長のご見解をお伺いいたします。  この項の三点目の質問は、行きどまり道路の避難路整備についてお伺いいたします。  昨年の阪神大震災が教訓となった点の一つに、木造賃貸住宅密集地域などにおける点でございます、いわゆる袋小路におきまして、大地震のときなど危険な点が多いと指摘されております。すなわち、こうした地域では建物の倒壊、道をふさいだときの逃げ道をいかに確保するかなど、災害対策上極めて重要な点であります。本区におきましては、こうした地区が特に多いのは、谷中、桜木、根岸等が上げられると思います。消防自動車も入れないような狭隘なところを地域指定し、まず、袋小路の実態調査などを行い、対策を立てる必要があると思います。  例えば、袋小路の突き当たりの部分にブロック塀がある場合は、その地権者の方にご協力いただき、区と協定を結び、いざというときに地権者の方々が敷地を開放していただくという方法で、避難路を確保してはと考えるものであります。  また、避難路となるべき突き当たりの塀の部分を壊しやすいものにするとか、あるいはまた、生け垣を移設するとか、かぎをつけて開閉式にするなど、具体的方法については地権者の方々との話し合いで決めていただければと思います。避難者の安全確保のためのこうした事業を、目標年次を定め整備すべきと思いますが、いかがでありましょうか。区長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  質問の最後は、定住促進のための住宅政策についてお伺いをいたします。  国の人口構成図は、かつてのすそ広がりのいわゆるピラミッド型から、頭でっかちのマッシュルーム型へと大きく変化しつつあります。中でも十五歳から六十四歳までの生産年齢人口、つまり、働き盛りの増減は社会全体の活力につながるだけに大変気になるところであります。ところが、その働き盛りの人口がピークに達したのは昨年一九九五年で、本年は明治維新以来ふえ続けてきた働き盛りが減少に転じるという歴史的な年であります。  そこで気になる台東区の住民基本台帳による人口の推移を見ますと、その人口構成図はピラミッド型から筒型に移行している傾向にあります。中でも顕著なのは、男女とも三十歳台の人口と十九歳以下の人口の減少傾向であります。このような人口動態の変化を注視し、私たち区議会公明は以前から区に対して具体的に、中堅ファミリー層の定住支援策を提言し続けてまいりました。これに対し、区はこれまで住み替え家賃助成等、中堅ファミリー層の定住支援策として実施をしてまいりました。目標達成には厳しいものがございました。しかし、今年度から資格要件が緩和されたことにより、今後その成果が期待をされるところでもあります。  また、公的住宅供給計画全般では、前半五年間の実績も社会経済の変化等もあるとはいえ、大変に厳しいものがあったと思います。私は、この中で感じることは、これからの住宅政策の考え方の中で、区が直接公的住宅を建てることはもちろん重要でありますが、住宅戸数の大幅な増加は厳しい財政事情を考えますと、区の独自の事業となるとかなり難しいものがあると思います。したがって、これからの定住施策の中では、借り上げ型住宅に力点を置いた施策の展開がかなり重要なものになってくると考えるものであります。  平成六年六月、台東区特定優良賃貸住宅条例が施行をされました。民間の方々に協力をいただき、その見返りとしても建て主さんへのメリットもあるこの事業を大きく展開すべきと思います。  先ほど申し上げましたが、区内に定住を希望される方の中で、中堅のファミリー世帯の方が、他区、他県にいかなくても済むような住環境の整備のために、こうした施策の充実が必要だとも考えるものであります。また、高齢者の方々にとっても低家賃で借りられるこうした優良な住宅の増加を図るべきと考えるものであります。  聞くところによりますと最近、住宅課の窓口にこの制度についての問い合わせや申し込みがかなりあると聞いております。しかし、現在、年間予定数は三十戸であります。一軒しか希望に沿えないこともあるわけであります。この際、年間目標を百戸ぐらいふやした予算をつけてもいいのではないかと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。  区がかかわる住宅整備を、こうした民間の方々の協力が得られようとしている現在、ぜひ前向きに取り組んでいただきますよう、強く要望いたしまして、私の質問を終わります。  ご清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(大場功一 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 足立議員のご質問にお答え申し上げます。  ご質問の第一は、痴呆性高齢者福祉対策についてでございます。  まず、デイホームサービスの充実についてですが、痴呆性高齢者は年々増加する傾向にあることから、デイホームを設置し、痴呆性高齢者の支援と家族の負担軽減を図ることは重要であると考えております。そこで、現在「旧二長町小学校跡地施設建設構想」の中で、二カ所目の施設を計画いたしております。  また、現在の週二日の利用日については、利用者のニーズや家族の状況に即した利用日数にするよう今後検討してまいります。なお、学校の余裕教室の活用については、今後研究してまいります。  次に、グループホームケアの実施についてでありますが、現在、全国で幾つかの施設が国の調査研究モデル事業の指定を受け、痴呆性高齢者グループホームを実施いたしております。ご提案につきましては、これらモデル事業の結果を踏まえながら痴呆性高齢者の新しい施策として、今後研究してまいりたいと考えております。  次に、財産管理の援助策についてであります。  現在、おとしより公社で財産保全サービスを実施しておりますが、判断能力の十分でない痴呆性高齢者の財産管理につきましては、さまざまな問題があり、調査を行っているところであります。痴呆性高齢者に対する財産の適切な保全・管理のための支援制度は、法律による制度整備が不可欠であり、成年後見制度の立法化が必要と考えております。  今後とも、国や都、他区の状況を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。  ご質問の第二は、災害対策についてでございます。  まず、夜間訓練と避難所体験についてでございますが、実践的な訓練として大変有意義なものであると思います。つきましては、本年度から実施いたします避難所単位での防災訓練の中で、議員ご指摘の趣旨を関係機関と相談しながら、できる限り早期に実現してまいりたいと考えております。  次に、行きどまり道路の避難路整備についてのご質問でございます。  災害時における避難ルートの確保は重要なことであると認識しておりますので、今後、他区の事例等を参考にしながら検討してまいります。  次に、最後の質問は、定住促進対策でございます。  特定優良賃貸住宅制度は、民間活力を利用し、良質な住宅をストックすることができ、定住促進対策にとって効果のある施策であると認識をいたしております。特定優良賃貸住宅等の供給戸数については、今後の長期総合計画や住宅整備指針を改定する中で、計画の見直しを図り、戸数の充実についても検討してまいりたいと思います。 ○議長(大場功一 さん) それでは、ここで十五分間休憩をいたします。   午後三時五十七分休憩 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   午後四時十五分開議 ○議長(大場功一 さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。  三十七番河野浅吉さん。   (三十七番河野浅吉さん登壇) ◆三十七番(河野浅吉 さん) 平成八年第三回台東区議会定例会に当たり、友愛クラブを代表して区行政に関する一般質問をさせていただきます。  まず質問の第一点は、固定資産税・相続税の軽減についてであります。  この問題は、特別区行政にかかわる事項ではないことを承知しておりますが、しかし、台東区民の多くや、あるいは東京都民の大多数がいわゆるバブルによる地価の高騰以来、固定資産税や相続税の過重な負担に耐えられないため、区長や区議会に対しても東京都や国に対して何らかの形で税負担の軽減についての協力や努力を要請するように求められているのであります。  固定資産税に関しては、二十三特別区にとりまして、都区財政調整制度に深くかかわっていることでもあり、こうした住民の強い要請について十分配慮しなければならないと考える次第であります。  ご承知のように、一部経済学者や海外のエコノミストが指摘していた「過剰流動性に起因する土地や株に対する投資は危険である」との警鐘の中で、このような土地神話が誕生したのであります。土地は、絶対生産できないものであり、当時は地価が上昇することはあっても下落することはないと信じられていました。特に都心部は、不動産業者の地上げによって人口減少など、さまざまなひずみが生じてまいりました。小規模ながらも台東区で商売を続け、台東区に住み続けたいと願っていた区民をも台東区から排除するという状況が生まれてしまいました。こうした土地の異常な高価格は、固定資産税や相続税の算定の基礎である評価価格を押し上げてしまいました。  固定資産税の算定基準は、前年一月一日の時点における地価公示価格をもとに、自治省によって算出される仕組みになっております。各自治体は、こうして算出された基準によって三年ごとに見直し、固定資産税額を算定し課税しております。来年は、この評価がえの年であります。したがって、固定資産税のあり方等を抜本的に見直す絶好の機会でもあります。  ちなみに、平成六年度評価がえから土地固定資産税評価額を全国一律に地価公示価格の七割程度に一気に引き上げております。そのため、東京を初めとする大都市では、評価額がこれまでの五倍から七倍になっております。加えてバブル崩壊後の地価の大幅な下落で評価額が実勢価格を上回る逆転現象が続出しているのが現況であります。納税者からの不満の声が沸騰しております。大都市部を中心に全国で不服審査請求が二万一千件を超えているということを伺っております。土地評価額は、前年一月一日時点の公示地価をもとに自治省が決定しておりますが、今回は、七月一日時点の基準地価をもとに可能な限り実勢水準に近い評価額にする方向のようであります。自治省のこうした努力は認めなければなりませんが、今回の土地評価額の引き下げでも大都市においては、前回の課税標準額を上回る例も多いようであります。増税になる場合が予想されるのであります。  したがって、納税者の不満は解消されないのでないでしょうか。地価が下落すれば土地の固定資産税額も減少すると期待するのが当然であります。  東京都内の納税関係団体からは、来年の評価がえに当たっては地価下落に応じた税額の引き下げが実現するよう抜本改正を望む声や、評価がえの時期を三年に一度から二年に一度に短縮し、急激な地価変動に対応するようにとの要望も出されているところであります。さらに、コンピューター化への社会構造を考えれば、毎年の評価がえも不可能ではないと主張されております。こうした住民の強い要請にこたえるためにも、地価公示価格の七割評価とする全国一律主義は改める必要があると考えるものであります。  そこで、区長にお尋ねしたいのは、千代田区、中央区、港区、新宿区の都心四区による固定資産税・相続税の大幅軽減を求める区民大会開催の準備が進められており、台東区においても住民の強い要望を酌み上げるため、この種の大会開催を計画し、関係住民団体、台東区、区議会による大会開催を実現し国や東京都にアピールし、強力に要請する必要があると考えますが、飯村区長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。  質問の第二点は、台東区環境美化保全に関する条例制定についてお尋ねをいたします。  我が台東区は、「上野・浅草」という二大観光地を中心とする、歴史と文化の伝統を持つ地域を有し、町の美化につきましては、かつての美化推進委員会を中心とした心ある区民の手によって清掃され、その美化の実績が受け継がれ、台東区の体面がかろうじて保たれてきたと申しても過言ではありません。  しかし、国民の一部の人たちによる「ポイ捨て」をやむを得ないものとして受け入れ、毎日の清掃による努力を永遠に続けることを改める必要があることに、多くの自治体も住民も気がつきました。  私は、清掃される前の町の姿を毎朝見続けております。早朝私は、浅草寺から隅田公園まで散歩することが日課となっております。浅草寺への参道を中心とした人通りの多かった道路には、タバコの吸い殻が無数に散乱し、敷き石にはチューインガムのかみかすが黒点となって異様な模様が無残に残されております。清掃委託を受けた方々がリヤカーによりごみ集めをし、商店や飲食店、会社などの方々が清掃し終わるや、やっとすがすがしさを取り戻し、新しいその日の来客を待つ町の姿が生まれるのであります。空き缶、ビン、かみくずを捨てることはもちろん論外な行為であります。たばこの吸いがらについて少々申し上げたいと存じます。  新聞情報ではありますが、クリントン米大統領がたばこの規制強化策を打ち出しました。大統領選をにらみ、業界から支援を受けている共和党への牽制との見方もあるそうでありますが、たばこを中毒性のある薬物に指定したことは画期的な出来事だと述べております。アメリカはもともとたばこに対する規制が厳しく、成人男子の喫煙率は二五パーセントで、日本の五八・八パーセントに比較して低く、公共の場所やレストランなどはほとんど禁煙であります。  先進諸国はたばこを締め出そうとどこも躍起になっております。広告の禁止は常識であるし、ポイ捨てについて厳しい罰則を設けているのはシンガポールに限ったことではありません。他人に迷惑になるものは排除しようとするのが常識であります。クリントン大統領の政策を伝えたCNNは、日本の若者が至るところで喫煙している街頭風景を写し、「日本は、喫煙者天国だ」と紹介していたそうであります。確かに日本は喫煙者に寛容過ぎると思います。最近でこそ分煙、嫌煙運動の広がりとともに地下鉄や駅構内での禁煙は実現しました。しかしながら、街頭では歩行中の喫煙、ポイ捨てが横行しております。  このたばこや空き缶公害に対して、全国六百余りの市町村がポイ捨ての禁止条例を設けております。罰則規定が甘いせいか、今のところは効果が余り上がっていないのが現状であるとのことであります。しかし、喫煙とそのモラルとマナーが守られない風土は早急に直さなければなりません。  つい最近でありますが、私は、自民、公明、友愛の八人の議員とともにカナダへ視察にまいりました。トロント市、カルガリー市、バンクーバー市を訪問いたしました。カナダが貴重な大自然の環境保全のために国家を挙げて取り組んでいることは十分承知しておりましたが、喫煙に関しましても当然のことながら所定の場所以外では厳しく禁煙とされております。カナダ国民のモラルが高いために、町なかはもちろん山野においてもたばこの吸いがらはありませんでした。自分で出したごみは自分で必ず持ち帰り処理することが原則であります。このモラルの高さは、一面で違反者に対する厳しい罰則があることが作用していることも確かであります。  こうしたモラル先進国に引きかえ、台東区や東京都には無残とも思える場所が随所にあります。帰国してからそのみにくさが一段と目につくようになりました。しかし、救いは台東区でいえば上野商店連合会、浅草商店会、蔵前橋通り会などは町の美化のために地域ぐるみで協力し、社長さんたちがみずから竹ぼうきを持って清掃に努めている姿があることでした。ポイ捨てがなくなればその労力は大きく減少します。台東区が歩道をカラー補装し、インターロッキングにより町の美化に投資しておりますが、この快適な道路をいつまでも美しく保つために、国民のモラルの向上を待つ以外にありません。  お隣の荒川区においても、二十三特別区の先頭を切ってポイ捨て防止条例制定へ大きく踏み出しました。現在各市で制定している条例の多くは、罰則規定を盛り込んでおりますが、これは心理的効果の意味合いが強く、マナーやモラルの大切さを持った住民・国民の育成が目的であろうと考えております。  飯村区長は、環境美化の目的とモラルの向上を目指すための条例制定に対してどのようにお考えになり、今後どのように取り組まれる所存かをお伺い申し上げます。  質問の第三点は、NHKラジオ体操東京大会の開催地を台東区に誘致することをぜひ実現していただきたいという提案であります。  ご承知のように、NHKのラジオ体操の歴史は大変古いのでありますが、台東区とのかかわりは昭和二十七年六月二十七日に松葉公園から全国に中継放送されたころから注目されるようになりました。この放送を記念して台東区ラジオ体操連盟が発足いたしました。その会長には、台東区長が就任され、現在は飯村区長がその会長として連盟の充実発展に努力を傾注されておられます。また、ラジオ体操連盟の理事長には初代の高島氏以来、小西、米山、佐下橋、戸村の各氏が継承し、今日の連盟の基盤を確固たるものに築き上げ、東京一、いや日本一だと評価されるに至っております。台東区では、正月元旦からラジオ体操を実施し、一年を通じて無休の体操会場も多く、その数は現在百会場近くにも達しております。  こうしたラジオ体操への区民の理解は、青少年の体力増強に、また中高年者の体力の維持と老化防止に大きく貢献し、台東区の活力につながっております。飯村区長の提唱する「健康都市宣言」の理念の実現を具現化する目標への道の一つにもつながっているのであります。  NHKでは、毎年七月二十日から八月末日まで四十数会場にわたって全国各都市の会場をキーステーションとして、夏期巡回ラジオ体操の放送を行っております。選ばれた都市の市長さんを先頭に、三千人近い市民とともに日本全国に、また海外にまで電波を通じて紹介されております。来年は、特別区制度発足五十周年の年であり、また台東区ラジオ体操連盟発足四十五周年にも当たります。  そこで、台東区内に二万人ぐらいの入れる会場があれば、ラジオ体操祭中央大会の開催を提唱したいのでありますが、残念ながら物理的に困難であります。そこで東京地方大会・夏期巡回全国中継放送の台東区への誘致の提案をいたします。会場としてはリバーサイドスポーツセンター並びに桜橋を考えてはいかがでしょうか。情報化時代にあって、七十年以上の放送の歴史があるNHKラジオの電波に乗せて「健康都市台東区」を日本全国に発信してはいかがかと存じますが、飯村区長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。  これをもちまして、友愛クラブの一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(大場功一 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 河野議員のご質問にお答えを申し上げます。  ご質問の第一は、固定資産税や相続税の軽減についてでございます。  議員ご指摘のように、区におきましても固定資産税や相続税の評価額と実際の土地取引価格との逆転現象など、過重な負担が定住人口減少などの原因として、大きな問題となっております。  折しも、平成九年度が固定資産税の評価替えの年であることから、都心区を中心に議会や住民団体が主催して、国や東京都などに対して抜本改正を求めようとする動きが見られます。  ご質問の台東区の区民大会の開催につきましては、区といたしましても、台東区議会や住民団体の意向を踏まえ努力をしてまいりたいと考えております。  ご質問の第二は、環境美化保全に関する条例制定についてでございます。  たばこの吸いがら、空き缶等の散乱をなくしまちの美化を推進することは観光客等、来街者を迎える上で、また、地域の人々の快適な生活空間を維持する上で大切なことだと考えております。  これまでも地域の方々が、まちの美化保全に日々努力されていることはよく存じており、感謝をいたしております。環境美化は、一人一人のモラルの積み重ねにより成り立つものであります。地域に生活する人と、そこを訪れる人の協力が不可欠であります。条例の制定は、他の都市の例に見られるように環境美化の保全に一定の効果があるものと考えられますけれども、本区の条例化につきましては、区民全体の理解と協力が重要ですので、アンケート調査等を実施するなど、区民の意向を十分確認の上、前向きに検討してまいりたいと考えております。  最後のご質問は、夏期巡回ラジオ体操東京大会についてでございます。  私は、台東区のラジオ体操が区民の多くの方々に親しまれ、地域に根ざして年々盛んになり、区民の健康づくりに大いに役立っていることは大変喜ばしく思っております。  議員ご提案の件につきましては、今後ラジオ体操連盟や東京郵政局などの関係機関と協議をいたしまして、誘致の方向で努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(大場功一 さん) 二十九番茂木孝孔さん。   (二十九番茂木孝孔さん登壇) ◆二十九番(茂木孝孔 さん) 一九九六年第三回定例会に当たり、日本共産党区議団を代表して区長に質問させていただきます。  残念ながら私の質問時間わずか二十分しかありませんので、早い口調で質問をさせていただきます。  質問に入る前にまず、まず我が党区議団の決意を述べさせていただきたいと思います。  去る七月三十一日、我が党区議団の一員であった佐藤 仁氏が議員を辞職、区民から負託されたかけがえのない議席及び議案提出権を失う結果となったことを、良識ある区民の皆さんに心よりおわびを申し上げる次第です。
     佐藤氏自身が、公安関係者の巧妙な手口にだまされたとはいえ、これに長期にわたって接触し、協力してきた事実が明白になった以上、日本共産党の議員としての資格は持ち得ないことはもちろん、何よりも有権者の皆さんを欺く結果となったことからしても議員の辞職は当然であり、こうした処置をとることが区民に責任ある政党としての態度であります。この処置を本人も同意したことはいうまでもないことであります。  公安関係者のねらいが我が党や民主団体を攪乱し、破壊することにあることは先月長野簡易裁判所で元公安警察幹部に懲役二年の判決がくだされたように、多くの事件からも明白であります。こうした事態は、不法かつ卑劣な謀略で民主政治のもとでは絶対に許されるものではありません。  先ほどの実川議員の質問は、こうした公安の実態にはいっさい触れず、議会内の問題をあえて区長に質問したことを見るなら、公安警察と同じ意図を持ったものと疑わざるを得ません。また、仄聞するところによれば、某参議院議員が党利党略で我が党を混乱させることを意図に、区議会の決定に異議を唱えたと、こういうことでありますが、これが事実であるとすれば断じて許されないことであります。  我が党は今回の問題を教訓に、反動支配勢力の謀略的策動への警戒心を高め、これを許さないため奮闘する決意であります。同時に、八日行われた足立区長選挙で住民犠牲の「行革」「ハコ物優先の政治」ノーの審判がくだされ、狛江市に続いて革新、民主の吉田万三区長が誕生しました。これは、足立区に限ったことでは決してありません。台東区にも今の政治に怒り、失望し、何とかしなくてはと願う区民は大勢います。こうした方々と「区民が主人公」「あたり前の事がとおる区政」この実現ため、四名の区議団一丸となって一層奮闘する決意を述べ質問に入ります。  第一は、消費税率の五パーセントへの引き上げについてであります。  来年四月からの消費税率引き上げに反対する区民の怒りの声が大きく広がっています。前回総選挙で消費税率引き上げを公約した政党は全くなかったわけですから、公約違反だと区民が怒るのも当然であります。五パーセントへの消費税率引き上げで、勤労者一世帯当たりの消費税負担は年間十八万円を超えます。長期の不況の中で苦しむ中小零細業者にも深刻な打撃を与えます。そして何よりも、低所得者ほど負担の高い非民主的な税制であることも日々明らかになっています。  最近、自民党の中でも消費税率引き上げ凍結の動きや新進党の五年間凍結政策が報じられています。総選挙目当てのパフォーマンスと区民は冷たく見ておりますが、国民の大きな怒りからの反映でもあります。  区長は、十六万区民の立場に立って消費税率引き上げ反対の立場を明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。  次に、税率五パーセントへの引き上げによる台東区の財政への影響についてお尋ねいたします。  本年六月二十五日に東京都は、消費税率引き上げに伴う都財政の収支影響を発表いたしましたが、差し引き二百五十億円のマイナスとなっています。この資料をもとに我が党区議団が台東区財政への影響を試算いたしますと、新たに交付される地方消費税交付金、これが二十四億七千万円に対し、交付されなくなる消費贈与税が十八億九千万円、恒久減税影響分十六億円、消費税率引き上げによる歳出増が四億円で、差し引き十四億二千万円の歳入減となり、鳴り物入りで宣伝されている地方消費税も地方自治体にとってはありがた迷惑そのものであります。地方自治体にとっても、百害あって一利なしの税率引き上げにきっぱりと反対すべきでありますが、いかがでしょうか。  次は、安保、沖縄基地撤去についてであります。  九日行われた米軍基地の整理、縮小と日米地位協定の見直しを求めた県民投票は、投票率五九・五三パーセント、賛成票九一・二六パーセントと圧倒的多数の支持を得、全有権者の過半数も超えました。この結果からも日米政府は、沖縄の確固とした意志に従うべきであります。大田知事は「今回の県民投票で示された意思を尊重し、基地問題の解決に向け努力する」と述べられました。  区長は、今回の県民投票をどのように考えているのか、また、住民の立場に立って日米政府に立ち向かっている大田知事をどう評価しているのか、同じ自治体の長として大田知事の行動を支援すべきと考えますが、区長の所見をお聞かせください。  次は、沖縄の米軍基地の不法占拠を続けるための「特別立法」を制定しようとしている政府の態度についてであります。  法律の根拠もなしに、個人の土地を取り上げ続けるということは明白な不法占拠であります。五カ月以上も不法占拠を続け来年五月には、嘉手納、普天間など主要基地を含む十二施設の使用期限が切れ、さらに約三千件に不法占拠状況が拡大するのであります。  そもそも、沖縄の米軍基地は国際法を踏みにじってつくられ、施政権返還後、政府が「違憲、違法の固まり」といわれる状態を引き継いできた結果であります。ところが政府は、地主や県知事、市町村長が拒否しても政府の一方的な手続だけで県民の土地を取り上げることができる「特別立法」を制定しようとしているのであります。また、この法律によって自治体が責任を負うまちづくりなど、都市計画事業の推進が永久的に阻害され、経済振興も図れなくなるなど、地方自治権の侵害にも及ぶのであります。  こうした「特別立法」の制定に地方自治体の長として、反対の意思を示すべきであります。区長の所信をお聞かせください。  次は、自治体リストラについてであります。  「敬老の日」を間近に控えていますので、高齢者問題について質問いたします。  今、高齢期を迎えておられる高齢者は、痛苦の侵略戦争を体験し、敗戦の焦土の中を額に汗して働き続け、今日の社会を築いてこられた功労者であります。こうした方々に豊かで生きがいのある老後を保障することこそ、国、地方自治体、そして為政者の大切な仕事であります。「老後不安の解消を」とだれもが口にいたします。しかし、実態は入院給食有料化、年金の改悪、消費税率引き上げ、老人医療費の定率負担化など、負担と犠牲の押しつけで老後の不安を一層大きくしているのであります。この流れは我が台東区でも同様であります。  「行革」「リストラ」ということで、ことしから敬老祝金、敬老祝品の一律支給を廃止し、支給額は一万円にしたものの十一年に一度、その上、長寿祝金も廃止してしまいました。このほかにも無料入浴券、敬老ステッキの縮小と、高齢者にとって本当に寂しい秋を迎えているのであります。  区長、あなたは「敬老のつどい」などで耳ざわりのいいあいさつをするでしょう。しかし、あなたがやってきた高齢者への負担と犠牲の押しつけという事実は、絶対に消せないのであります。今こそ、憲法を高齢者の暮らしと人権に生かす政治を推進すべきであります。  ちょうど来年度予算編成に入る時期でもありますので、ことしから廃止、縮小した事業を復活、充実するべきであります。区長の答弁を求めます。高齢者福祉を総合的に考えると言いつつ、スクラップ・アンド・ビルド方式を持ち込むやり方は、地方自治体の責務を投げ捨てたものと言わざるを得ません。  区長、あなたは「行革」に聖域はないと言ってきました。ところが、聖域をつくってきたのであります。二人助役制、二十三区最高クラスのみずからの交際費、他区と比べても際立って多額の食糧費、外郭団体の幹部職員への退職金制度など、一向に手をつけようといたしておりません。「行革」を言うのであるなら、まず、みずから率先してこれらの分野にメスを入れるべきであります。区長の答弁を求めます。  来年度予算で見直すのか、それとも従来どおり手をつけないのか、見直す考えがあるなら何をどのようにするか、明確かつ具体的に答弁を求めます。  ときあたかも足立区長選で、住民犠牲の「行革」に厳しい審判がくだされました。足立区と「ニセ行革」を競い合っていた台東区でも、従来どおりの姿勢をとるなら良識ある区民の批判にさらされることを指摘するものであります。  次は、O157対策の抜本的強化と保健所の機能充実強化について質問いたします。  今定例会の区長発言で「七月には庁内連絡会を発足させ、情報の交換等を行ってきた」と言いました。しかしながら、急いで整備が必要な設備の改善の対応については、学校、保育園、高齢者施設、こうしたところを私ども調査したところ、食材の加熱処理確認用の中心温度計の設置や、食材や調理器具、食器を消毒、殺菌するための設備、検体の二週間保存用の冷凍庫の整備時期など、対応にばらつきがあることが明らかとなりました。この間、我が党区議団が二回にわたって区環境保健部に申し入れを行ってきましたが、すべての施設で統一的に早急に整備するべきと考えますが、区長の答弁を求めます。  今、学校給食において病原性大腸菌O157からの犠牲者を絶対に出さない立場で、安全確保に万全を期することが求められています。その一つである栄養士の全校配置を早急に進めるべきと考えますが、この点も区長にあえて質問をいたしますので、答弁をお願いいたします。  区民の命と安全を守る対策を進める上で、保健所の果たす役割は大きなものがあります。大阪堺市のある医師は「保健所が統廃合されていたら、今回こんな役割は果たせなかったでしょう。二次感染の防止、ショックを受けた児童の心のケアなど課題は山積しています。統廃合でなく充実、強化こそ圧倒的な市民の願いです」こう語っています。  このように今求められていることは、保健所の統廃合などではなく、保健所機能の一層の拡充、強化であります。区長の所見をお聞かせください。  保健所の機能、充実強化の一つとして保健婦の配置についても質問させていただきます。  堺市では「不安に思っていたら保健婦さんが訪ねてきて、感染の仕組みや消毒の仕方を説明してくれました。すごく身近で頼もしく思えた」不安な毎日を送る市民の守り手として、働いている保健婦さんへの信頼が語られています。ところが台東区の保健婦の現状はどうでしょうか。二年前に提出された厚生省基準から見ても六名不足しているのであります。保健婦の増員を早急に行うべきでありますが、区長の答弁を求めます。  O157の影響業者救済の緊急融資の実施について先ほど質問がありましたが、私も質問させていただきます。  東京都が食品関連の中小業者を対象に、特別緊急融資を始めました。二十三区内でも金利本人負担一パーセント以下の実施が相次いでいます。  台東区の飲食店、生鮮食料品店などは、長期の不況と大店法の規制緩和などで、ただでさえ大変な営業に加えて、二重三重の打撃となっています。切実な願いをもって、区内業者団体が産業振興課に申し入れに行ったところ、「新たな融資制度はつくらない、金利負担一パーセント以下の制度は設けたくない」と区内の実態を無視した冷たい対応をしたそうであります。O157被害による営業危機の広がりに、きめ細かな機敏な対応こそ、今求められているのであります。先ほどの答弁のような、研修会や業者団体との話し合いも重要でしょう。しかし、今求められているのはこうした融資制度であります。ぜひ、この点での区長の答弁をお願いいたします。  次は、下谷病院の存続についてであります。  下谷病院の区内存続を求める区民の声は、その実態が明らかになるにつれて日に日に強くなっています。下谷病院の地元でも存続を求める運動が展開され、八月二十三日には約二千人の署名を持って私学共済組合に存続の要請が行われたとのことであります。  また、地元住民、町会連合会、台東区、台東区議会等、再三要請してきたところであります。ところが、ご承知のとおり私学共済組合は赤字経営だ、三百床以上の病院が必要だ、第二次医療圏のベッド規制、これらを理由に上げて一歩も譲らない態度であります。  七月二十六日の要請行動の際も、共済側の一方的な主張に対し、助役が今までの経過を述べ、強い口調で反論いたしましたが、私学共済の主張は、地域住民や患者に対する医療機関としての責任を全く持っていないのであります。  こうした姿勢を変えさせるためにも、昨年九月に区と私学共済組合とで交わした「覚書」を公表し、私学共済がいかに地域医療に無責任であるかを明らかにすべきであります。区長の答弁を求めます。  本来、医療機関の役割は、地域住民の健康、生命の保持に責任を持って医療活動に当たることにあります。それを一方的理由で、突然地域から撤退するという勝手な論理は社会的責任から見ても許されるものではありません。こうした視点からの追求が大切であります。  この立場から、これまでの町会幹部クラスの運動にとどめず、全区民運動に広げ、繰り返し私学共済組合に申し入れを行うべきであります。同時に、医療圏の見直しも含め都にも要請を繰り返し行うべきであります。区長の答弁を求めます。所信発言のように「最大限の努力」などという抽象的な答弁ではなくて、具体的に決意をお聞かせ願いたいのであります。  次は、国民健康保険料の値上げについてお尋ねいたします。  東京都と二十三区の国保関係部長らでつくる「特別区国民健康保険の保険料に関する都区検討会」は、七月の区長会に「中間のまとめ」を示しました。これによりますと、現行の賦課割合である所得割対均等割を七十対三十を均等割の比率を段階的に高め、四年後の二〇〇〇年には「五十対五十」にすることを目標にしております。  これが実行されますと「均等割」の大幅な値上げとなり、低所得者層ほど負担が大幅にふえることになります。例えば、年収五百万円の四人世帯では、四年後には約一・六倍、年収三百万円の世帯では現行の二倍にもなるのであります。  今後「検討会」では、この「中間のまとめ」を踏まえ、九月を目途に「九七年度の保険料のあり方」と「二〇〇〇年度までの保険料のあり方」をあわせてまとめることになっています。  このまま実施されるようなことになるなら、国保加入者率全都第一位の当区にとって重大な影響を及ぼすのは必至であります。  そもそも国保は福祉であります。国保加入者の多数を占める高齢者、中小業者などの生活がますます深刻なことを考えるなら、国はこれまで削減してきた補助率をもとに戻すべきであります。東京都も支出金を増額すべきであります。都は、財源を理由にしていますが、必要以上の財源を投入している臨海副都心計画など、大型再開発等にメスを入れるなら財源は十分にあるのであります。  この問題では、今回は前回に続いてさらなる値上げでありますから、前回のように「仕方ない」とする甘い姿勢ではなく、断固拒否する姿勢を貫くべきであります。区長の決意をお聞かせください。  最後に、清川二丁目の東京北部小包集中局跡地への都営住宅建設についてお尋ねをいたします。  昭和六十二年、小包集中局の移転の情報を入手してから、我が党区議団は郵政省や東京都に跡地への都営住宅建設を一貫して働きかけてきました。東京都も都営住宅建設の意向を固め、郵政省との折衝を続けてきました。しかしながら、郵政省が新宿区や中野区に代替地を要求してきたために暗礁に乗り上げました。ところが最近、郵政省は譲歩してもよいという方針を変更、東京都も買収の方向で動き出しています。一万二百平方メートルの土地は区内では得がたいものであります。都営住宅建設は区民の切実な願いでもあります。また、近隣住民から改善の要望の強い玉姫職安の改善も図られるべきであります。区長はどのように東京都と協力していかれるつもりか、所見をお聞かせください。  以上で、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(大場功一 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 茂木議員のご質問にお答えをいたします。  ご質問の第一は、消費税の五パーセント引き上げについてでございます。  政府は、去る六月二十五日の閣議で、現行三パーセントの消費税を平成九年四月一日から新設の地方消費税一パーセントを含む五パーセントに引き上げることに決定いたしております。私は、これからの推移を慎重に見守ってまいりたいと思いますので、ご理解のほどお願いをいたします。  また、今回の改正は、税の直間比率の見直しや高齢者福祉の財源確保のためのものでございます。区財政への影響につきましては、区長会を通じて安定的、恒久的な自主財源の確保について要望しているところでございますので、ご理解のほどをお願いをいたします。  ご質問の第二は、安保、沖縄基地撤去についてでございます。  私は、沖縄の県民投票の結果については、真摯に受けとめているところであります。昨日行われた首相と大田知事との話し合いで、今後(仮称)沖縄政策協議会が設置されることが決定されました。このような場での協議を通じて、特別立法の問題を含めて、沖縄の県民感情に配慮した措置が講じられることを期待し、推移を見守ってまいりたいと存じます。  ご質問の第三は、自治体のリストラについてであります。  まず、高齢者福祉事業の見直しについてであります。  社会経済情勢の急激な変化に柔軟に対応し、区民生活の維持、発展を図るためには、常に事務事業を見直し、限られた財源を重点的に配分していくことが重要であります。こうした観点から、行政改革大綱により全庁的に事務事業の見直しを図り、高齢者福祉関係の事業についても敬老祝品等の見直しを実施したところであります。  これは、高齢化の進行とともに確実に増加している要介護高齢者へのサービスを拡充するためであります。平成八年度予算での老人福祉費については、巡回入浴サービスやホームヘルパーの派遣時間の拡充など、七年度予算に比較して約二億八千万円の増となっており、全体として高齢者福祉の充実・強化を行ったものであります。  次に、食糧費については、八年度当初予算におきまして、対前年比で二〇パーセント弱の削減を実施したところでございます。今後とも、区民の皆様方の理解が得られるよう、さらに見直しを行い、削減の努力をしてまいりたいと存じます。  次に、二人助役制につきましては、多様な区政の課題に対応するため採用いたしておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。また、外郭団体の幹部職員の退職金につきましては、本年五月に設置いたしました外郭団体のあり方検討委員会におきまして、いろいろな角度から検討してまいりたいと存じます。さらに、区長交際費につきましても、執行状況等十分勘案しながら、節減の努力をしてまいりたいと考えております。  ご質問の第四は、O157対策と保健所機能の充実強化についてでございます。  最初に、検食の保存方法に関しての対応についてでございますが、厚生省も当初冷蔵保存も可としておりましたが、その後マイナス二十度以下で二週間以上保存するように変更を求めてきたところであります。  区におきましても、これまで給食業務等に関する庁内各課による連絡会において、厚生省の方針への対応を協議してまいりました。  その結果、区内の全小中学校におきましては、既に二学期の給食開始前までに冷凍庫の配備を完了したところであり、保育園や特別養護老人ホームなどの福祉施設におきましても、九月末までには設置できるように手配済みでございます。  次に、栄養士の配置についてでございますが、教育委員会では、今回のO157対策として献立の見直しや調理方法の徹底、さらに給食材料や施設設備の点検を行うなど、安全衛生管理の徹底を図っております。  なお、栄養職員につきましては、今後とも民間委託を実施する学校に計画的に配置していく考え方でありますので、ご理解のほどよろしくお願いをいたします。  保健所の統合と機能強化についてでございます。  保健所の統合は、地域保健法の趣旨や区の人口、面積等を勘案しながら進めているものであり、あわせて保健所の専門的かつ技術的拠点としての機能の強化などを図ってまいります。  したがいまして、保健所統合後は所内が一丸となって緊急事態に対応できる体制がとれると考えております。  続いて、保健婦の確保についてお答えを申し上げます。  現在、本区におきましては、保健婦を保健所以外に在宅福祉課や健康づくり課、千束保健福祉センターにも配置し、高齢者などの保健・福祉の増進に幅広く対応しているところであります。  今後とも、統合後の行政需要や人口の推移など諸条件を的確に把握しながら、適切な配置に努めてまいります。  次に、特別融資制度の実施についてでございます。  区といたしましては、現行の融資制度を積極的に活用して、対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。  ご質問の第五は、下谷病院の存続問題についてでございます。  最初に、区と区立学校教職員共済組合との間で結んだ覚書についてでありますが、これまで両者が長期間にわたって慎重に協議し、締結をしたものであり、これを公表することは必ずしもよい結果にはつながらないのではないかと考えておりますので、ご理解を願います。  次に、今後の存続運動についてであります。  下谷病院の動向につきましては、区民に重大な影響を及ぼすことから、これまで区議会を初め、町会連合会などにも報告してまいりました。その結果、七月末には、区・区議会・区民が一体となって、東京都や私立学校教職員共済組合に対して要請行動を行ったところであります。  二次医療圏の問題につきましても、今後の東京都における保健医療計画の見直しに向け、適切な時期を選びながら引き続き要請を続けてまいります。  ご質問の第六は、国民健康保険料の値上げについてでございます。七月の特別区長会に保険料のあり方の「中間のまとめ」が報告されました。問題点として、二十三区全体で一千百億円を超える一般財源の投入や保険料の最大格差が二十七倍にもなる中間所得層への負担の偏りがあり、このまま放置できない状況となっており、そのため是正の基本的な考え方として「公平性の確保」及び「負担の適正化」が掲げられております。目標年度を平成十二年度において、保険料の改定を予定しておりますが、保険料軽減対策など低所得者への配慮もなされております。  国民健康保険制度は、区民が安心して生活するために非常に重要であり、この制度の維持のためには基本的な考え方に沿った改定が必要と考えております。ご理解のほどよろしくお願いをいたします。  最後のご質問は、清川二丁目北部小包集中局跡地への都営住宅の建設についてでございますが、北部小包集中局跡地については、東京都にその取得を繰り返し要請してきたところであります。  都営住宅の建設につきましては、玉姫労働出張所の移転も含めて、今後とも東京都に要請してまいるとともに、区としても実現のためにでき得る限りの協力を惜しまない所存でございます。  以上。  済みません。大変大きな間違いをしたらしいです。  下谷病院の存続問題についての答弁のうち、区立学校教職員共済組合と申しましたが、これは私立でございます。私立学校教職員共済組合でございますので、訂正をさせて、おわびをいたします。 ○議長(大場功一 さん) 最後に十六番伊藤萬太郎さん。   (十六番伊藤萬太郎さん登壇) ◆十六番(伊藤萬太郎 さん) お疲れでしょうが、ラストバッターですのでしばらくお時間を拝借いたします。  台東区議会第三回定例会に当たり、新たに結成をいたしました「台東区議会再生クラブ」を代表して極めて簡潔明瞭に一般質問をさせていただきたいと存じます。  まず初めに、私たち「再生クラブ」結成に当たり、その趣旨の一端を披瀝してみたいと存じます。  四年と四カ月を経過すると私たちは二十一世紀を迎えることとなります。まさに、世界人類も日本社会も世紀末に身を置きながら、この節目に向けて新たな出発の胎動を繰り返しており、我が国の政治も経済も中央、地方にかかわらず、世代交代を伴いその変革のさまざまな流れの中で試行錯誤を続けております。  そして、我が国の政治変革のこの激しい流れのきっかけは、前回の政治改革総選挙に寄せて国民の出した結果であり、時の政治体制に対する命の叫びにも似た、怒りとNOの表現でもあったわけであります。大きな実績を残した五十五年体制も後半において、その時代的役割を終え崩れ落ちていきました。国民の期待の声に呼応した、この政界再編成の試行錯誤がしばらくはやむことはないでしょう。体制の中から突き上げる脱皮を求める動き、体制を飛び出して理想を求めようとするエネルギーたち、すべてを解体し新しい流れを原点からつくろうというもくろみなど、さまざまなこの離合集散の繰り返しの中で、国民の期待の目は確かであり、今度こそだまされまいという強烈な姿勢が見受けられるわけであります。国民と世界に信頼される日本の政治として再生することができるのか。「市民が中心の、二十一世紀の未来に責任の持てる、志のある一級の政治を志向する」本物の政治家たちの今が正念場と思うわけであります。
     そんな中にあって地方政治の一端を預かる私たちにも、その新しい時代に向けてさまざまな要請と対応が迫られているわけであります。小さな政府を求める結果は規制緩和であり、必然的に地方分権を推進していくこととになります。中央省庁における行政改革に準じて地方自治体への行政改革も大胆に行うことになります。そして、地域が自己決定のできる分権を進めることにより、自治体が受けるだろう多大な事業も、今まで以上に区民を中心とした施策として研究精査し、実行に移していかなければなりません。そのためにも議会権限の強化拡充を確実に図って、議会を大きく再生をしていく必要性を痛感しているところであります。また、さらには広がりつつある区民と議会の溝を埋めて、今こそが区民本位で活力のある区政を実現していかなければならないと思うわけであります。  そういう形で、中央政治や経済の構造的改革を図り、地方社会の新しい時代を開くために、地方自治の抜本的な再生を強く求め続けていくのが、私たち再生クラブの願いであり使命と考えておるわけであります。  もう一点は、私たち再生クラブが大きく掲げている、地球環境保全宣言都市の提言であります。この件に関しましては、第二回定例会で訴えさせていただきましたので多くは語りません。森林の荒廃、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、有害ダイオキシン、核実験など、人類みずからの手で、私たちの大切な地球を破壊し続けておるわけであります。このままの状態が続けば、あと百年たったら人類の大半が滅亡してしまうとも言われております。経済優先で進められてきた我が国は、特に地球環境に対しての認識は低いとされております。二定でも申し上げました、これ以上の環境破壊を引き起こさず、すべての人々の基本的ニーズは満たしていく。エネルギー効率を引き上げる。あらゆる類の公害汚染を減じていく。捨てるものを最小限にして最大限の節約をする。環境計画と経済発展を統合させる。自治体のすべての分野が環境計画にかかわるようにする。地方自治体での相互の協力体制を強める。  ご案内のとおり、一九九二年に世界の地方自治体の代表者たちが地球環境保全に向けて、発表したコミットメントの要旨であります。まさに今定例会の初日の区長発言にも述べられ、九月五日に完成を見た「台東リサイクルプラザ・ひまわり」の目的に、資源循環型社会への転換、総合的なリサイクル活動、省資源、省エネルギーへの配慮、ごみ減量とリサイクル推進に資する。さらに区民自主的活動の場であり、環境保全の啓発と係る情報や学習の拠点というこの施設は、まさに我が再生クラブの目的と合致していて、台東区の環境保全の大きな前進と受けとめ、望外の喜びを感じているところであります。  環境後進国といわれる日本には、まだ「地球環境保全都市」の宣言をした自治体はありません。このように環境保全に高い理解を示す我が台東区が一歩進めて「地球環境保全都市」を宣言し、広く地球滅亡の危機を訴えつつ、地球環境保全に行政シフトを合わせ、優先的に取り組む自治体として出で立ちをする。基本構想や事業計画をその地球環境保全の原理に基づいて制定し、より具体的に目標の設定や行動計画を打ち立てて、施策の実現を図っていくことであります。そして大切なことは、地域の区民一人一人にこの思想をご理解していただくことであり、さまざまな住民運動へと展開していかなければなりません。この運動が他の自治体へも草の根のように連鎖的に波及し、やがては世界的大運動にも発展していくことが大きな目標であります。国連や各国の指導者たちの思惑絡みの緩慢な結論を待っていたら、地球の危機は救えないような気がしてなりません。私たち人類は、この地球しか住むことができないのであります。未来の人類からお預かりしているかけがえのないこの地球を、生存の保証のない星としてバトンタッチすることは断じてなりません。現状より少しでもいい地球として、次の世代に受け渡す義務と責任が私たち現人類に課されているのであります。  したがって、「再生クラブ」は台東区の「地球環境保全都市」宣言の実現を大きな目的の一つとしていきたいと思うのであります。  さらに私たちは、飯村調和区政を推進しながら、地方議会の立場を十分に自覚し、民主的で開かれた議会を目指し、区民の皆様の幸せのために邁進していく決意であります。どうぞ議員の皆様、そして区長を初めとする理事者の皆様方のご理解とご指導を心よりお願いを申し上げます。  そこで、以上述べました「台東区議会再生クラブ」の結成趣旨に対してどのようなご評価をいただけますでしょうか。私たちの出発に際し、区長のご高見を拝聴させていただきたいと思います。  それでは、次の質問に移らさせていただきたいと存じます。  つい先日の防災の日の九月一日には、関東大震災を思い起こしながら、関東を中心とした各地、各方面でたくさんの防災行事、防災訓練が催されました。私も町会の皆さん約四十名と、東京都本所防災館を見学し、命が縮むような地震の仮想体験の立体映画を初め、さまざまな学習や災害訓練をさせていただき、防災に対する自覚を新たにしたところであります。  あの痛ましい阪神・淡路大地震から一年と八カ月、仮設住宅に身を寄せている人たちも多く、いまだかなりの人々が苦悩の日々を送っていると聞いております。あの日より我が台東区議会においても、多くの議員諸氏が既に多岐にわたりたくさんの貴重な質問を重ねてまいりました。私は、端的に一つの問題を取り上げさせていただきたいと存じます。阪神地区の某市で実際に起きたことであります。震災直後の市役所には数名の職員しかかけつけておりません。外はパニック状態で被害の状況もよく把握できていない、そのうちに倒壊した家屋に下敷きになっているというような情報が続々と寄せられてきたわけであります。市役所にはボランティアの方々が終結していて、入ってくる情報により消火活動や救助活動に向います。そんな中で、社会的な弱者に思いをめぐらせた職員は、まだかけつけていない所管職員に聞くまでもなく、ボランティアに救助を求めるべく一人暮らしや寝たきりのお年寄り、身体障害者などの名簿を公表しました。そして、ボランティアの手によって各地区から何人もの救助をし、かなりの消息や情報も得ることができたわけでありました。  しかし、最近になって救助された障害者の周辺から、市役所が名簿を公表したことがプライバシー条例に抵触をしているということで問題になり、市議会で論議が展開されているとのことであります。公表されたことにより社会的に大変な苦痛を受けている家族や、救助された障害者の中には「公表されてこんな思いをするなら、あのとき死んだ方がよかった」などと、私たちには大変理解に苦しむ、かなりの深刻な問題がはらんでいるもようであります。人命優先主義をとっさに選び判断した市役所側とプライバシー保護条例に触れるという当事者のグループとの対立が激化しているとのことであります。客観的に考えれば、あのパニック状態においては人命を第一優先した職員の対処は当然と考えますが、そのほかの問題や複雑な背景も絡んでいることも予想されているようであります。  そこでまず一点は、行政が社会的弱者に対する名簿を網羅しておき、その家庭環境や内部事情を把握した上で、その地区の福祉関係者や近所の人たちによりよく情報伝達やコミュニケーションを図るなど、指導を徹底して社会的弱者に対する救助の体制を確立しておくこと。  二点目には、プライバシー問題が生じることのないように、障害者団体や弱者を抱える家庭などに、災害時のやむを得ない事情の際は人命を優先するための、名簿の公表などのことに関して、事前によく話し合いを持ち、混乱を生じないような体制を以前からつくっておくべきと考えるわけであります。  ちなみに台東区約十五万三千人の区民のうち、一人暮らしの高齢者は推定で全人口の三パーセント、約四千五百人、寝たきりのお年寄りは老人福祉手当の支給者でみますと、本年七月現在で一千九十一人。身体障害者手帳所持者は平成七年三月現在で、五千五百二十人となっております。  以上、二点に対するご見解をお願い申し上げます。  最後に、下町ライブ事業についてご質問をさせていただきたいと思います。  この下町ライブ計画は、昭和六十年に六億円の予算を投じて十八事業からなる当時の内山区長の目玉の事業であったわけでありました。そして、本年まで十二年の長期にわたって区政を活性化し、牽引し、数限りない実績を残してまいりました。開始六年目の平成二年には、二十九の事業を数えるまでに発展し、台東区内外に下町ライブの名を高め、おのおのの事業は多くの区民になれ親しみ、その存在を顕示してきたわけでありました。  しかし、年を追うごとにマンネリ化気味だ。財政難だ。役割の終焉だなどと理由をつけて、年々その評価が変遷してまいったわけであります。そして、事業の廃止、縮小、所管がえと続き、とうとう本年、平成八年度予算において、十事業、一億九千三百五十万となったわけであります。  しかしながら、本事業に対する区民の評価は決して低くはなく、徐々に消えていく下町ライブへの郷愁はますます強くなっていく様相を呈しているわけであります。  ところがそんなおりもおり、ご案内のようにこの下町ライブ事業に対して本年一月、国から表彰を受けました。平成七年度「うるおいと活力のあるまちづくり、住民参加のまちづくり部門」で私の尊敬する当時の深谷大臣より自治大臣表彰を受賞したのであります。その対象事業が「めぐみ市、うえの夏まつり、下町七夕まつり、東京時代まつり」以上の四事業であり、全部が下町ライブに関係をしている事業であります。国から絶賛し、貴重な表彰までされた事業に対してさらに縮小しつつ、将来には幕を閉じる運命にあると仄聞するに当たり、どうも納得できないのは私だけではないような気がいたします。ぜひこの表彰という事実を重大に受けとめ、受賞対象である「住民参加のまちづくり部門」すなわち我が「再生クラブ」の目標でもある「区民本位のまちづくり」を積極的に推進していく意味においても、この下町ライブ事業はこれを契機にますます発展させるべきだと考えます。それともこの事業に優る別の方策を考えていらっしゃるのかどうか、区長のご見解をお聞きいたしたいと存じます。  以上で、簡単明瞭に私の質問を終わらせていただきます。ご清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(大場功一 さん) 区長の答弁を求めます。   (番外区長飯村恵一さん登壇) ◎区長(飯村恵一 さん) 伊藤萬太郎議員のご質問にお答えを申し上げます。  ご質問の第一は、「台東区議会再生クラブ」の結成の評価についてでございます。  まずこのたび、地方自治の抜本的な再生や、地球環境保全といういずれも重要な課題を掲げ、強い信念を持った「台東区議会再生クラブ」が結成されましたことに対し、今後のご活躍を期待するものでございます。  私は、今後とも再生クラブを初めとする各会派の皆様方のご協力をいただきながら、台東区の発展に向けて全力で取り組んでいく所存でございます。よろしくお願いを申し上げます。  ご質問の第二は、防災についてでございます。  大災害時において、人命を優先するかプライバシー保護を優先するかにつきましては、議員ご指摘のとおり非常に難しい問題がございます。しかしながら、人命救助は災害対策の最も重要な分野であることも事実でございます。  つきましては、障害者団体や弱者を抱えるご家族の方々など関係者のご理解を得ながら、防災団や町会を初め、民生委員、消防署など、関係機関が人命を尊重した活動を実施できるシステムを構築してまいりたいと考えております。  最後のご質問は、下町ライブ事業についてでございます。  東京・下町ライブ計画は、今年度で十二年目に当たり、その間区民の皆様方の積極的な参加と協力により、さまざまな先進的事業に取り組み、下町台東区のアピールと地域活性化に大きく貢献してきたところであります。  しかしながら、発足当時と現在の社会経済状況は大きく変化しております。また、地域活性化事業のノウハウは、それぞれの地域に蓄積され、計画の当初の目的とその先導的役割は十分に達成されたものと認識いたしております。  したがいまして、下町ライブ計画は来年度をもって終了させる方向で検討していきたいと考えております。  なお、現在実施している事業につきましては、それぞれの地域に定着した事業もありますので、必要な見直しを行い、関係部課に移管するなど継続して実施していきたいと思っております。  今後は、時代環境の変化を見守りながら、二十一世紀における新たなる展開を研究していきたいと考えております。  以上です。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○議長(大場功一 さん) これをもって一般質問を終了いたしました。  これをもって本日の会議を閉じ、散会いたします。   午後五時三十一分散会                           議 長   大 場 功 一                           議 員   鈴 木   茂                           議 員   大和田   功...